読売新聞が前月比24万部減 1000万部を大きく割り込む
2013年11月、3年連続で1000万部を回復した読売新聞。1カ月は大台に乗せるも、2012年も2011年も翌月には1000万部を割り込むという推移を繰り返していたが、2013年は以前に増して大きく落ち込んだ。
[参考]⇒読売新聞、恒例の1000万部回復 2年連続で達成 - edgefirstのブログ
[前年その1]⇒読売新聞、再び1000万部回復 年1回の恒例化か - edgefirstのブログ
[前年その2]⇒読売、案の定1カ月で1000万部割れ 前年同月比でも3万部減 - edgefirstのブログ
日本ABC協会が発表した2013年12月の朝刊販売部数は976万7721部。前月比マイナス23万9719部と総部数の2%を超える減少幅であった。前年同月比で見ても14万8921部と大きく減少。2カ月前の2013年10月と比較しても11万5千の減少となっており、落ち込みが止まる様子はない。なお、データは2014年1月15日付の業界紙・新聞情報に掲載されている(⇒電子版購読はこちらから)。
約24万部の減少というのはかなりすごい数字で、例えば同月のABC部数で比較すると福井新聞(20万7千)や神奈川新聞(20万4千)の朝刊全部数を軽く上回り、北日本新聞(24万)や徳島新聞(24万5千)に匹敵するなど、県紙の中でも上位に位置する新聞社の部数だ。11月に12万部積み上げたのもすごいが、倍近い部数が1カ月で失われるというのはまさにジェットコースター並みといっても過言ではない。
2012年は990万部台が続いていたものの、2013年に入ってからは980万部台となり、このままでいくと2014年は970万部台がベースになりそうな感じだ。ちなみにライバルの朝日新聞もここのところ毎年ほぼ10万部ずつ部数を減らしているが、こちらは「過剰予備紙の整理を進めている」ことを経営トップが明言している。
さすがに読売トップも無理を重ねたものであることは承知しているようで、1月1日付の業界紙・新聞情報の白石社長インタビューでは「今年4月に消費税が5%から8%に引き上げられる中、11月には記念すべき創刊140周年を迎えます。その時に1000万部を維持できるかどうかは、極めて厳しい見通しを持たざるを得ません」と弱気な発言をしている。
長年に渡り読売の金科玉条であった“1000万部”も、ついに最後となってしまうのだろうか。それが失われた時、社員や販売店への求心力となる新たな経営指標をどうやって打ち出していくのだろうか。
(追記 2014/2/4)
「そもそもなぜ11月に上がり、12月にこんなに落ちたのか」という疑問がTwitterで散見された。おそらく東日本大震災以降、落ち込んだ部数を取り戻す目標として、毎年11月に行われる読売新聞社の創立記念式典をターゲットに設定。そこで「今年もみなさんの頑張りで1000万部達成」を宣言するため、各販売店に目標部数を設定し、部数を積み上げたと推測される。販売店はその目標に合わせ1カ月の短期契約などに精を出すが、その反動が翌月にどっと表れたということなのだろう。