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読売、案の定1カ月で1000万部割れ 前年同月比でも3万部減

 2012年11月、1年ぶりに1000万部を回復した読売新聞だが、日本ABC協会が発表した2012年12月の朝刊販売部数は991万6642部と事前の予想通り1000万部を大きく割り込んだ。前月比マイナス9万831部と総部数の1%に近い減少であるが、前年同月比で見ても3万1199部の減少と下落傾向は続いている。データは2013年1月16日付の業界紙・新聞情報に掲載されている。ちなみに該当紙の購入は電子版新聞購入サイト「新聞オンライン.COM」にて1部あたり525円で可能(要クレジットカード)。
[購入サイト]⇒新聞情報 - 電子版新聞の販売・購読ポータルサイト - 新聞オンライン.COM
 実は2011年も11月に1000万部を回復させたものの、12月には前月比6万部の減少で全く同じ傾向を示しており、しかも2012年は前年よりも減少幅が大きくなっている。おそらく今年も1月は若干持ち直すと思われるが、2月以降再び減少し、公表数値でも990万を割り込んでくる可能性もある。

 読売としては1年のうち1カ月でも1000万部を超えていれば、社の至上命題である「1000万部」を主張できるという判断でこういうことをやっているのであろう。インパクトのあるわかりやすい経営指標を設定し、そこに求心力を見出す戦略であることは理解できるが、2年も続くとその虚構性がより浮き彫りとなっていくように感じる。
 なお、ライバルの朝日は2年ほど前から「実配数にこだわり、過剰な予備紙の整理に取り組む」ことを繰り返し表明している(参考)。その結果、かつて800万と言われた朝刊部数は2012年12月には763万まで減少した。日経も291万部と長年維持してきた朝刊300万部を割っているが、こちらは「電子版との合計で316万」という打ち出し方を昨年7月から始めている


 ナベツネさんこと渡辺会長・主筆は今年も販売店主を前にした新年のあいさつで「読売販売軍団の強さを感じる」と86歳にしてなお意気軒昂だったようだが、この数字を保てなくなった時にこれまで保っていた虚構の反動というリスクを幹部らはどのように考えているのだろうか。果たして氏の引退が「1000万部」に代わる経営指標を打ち出すことにつながるのだろうか。引き金を引ける幹部はいるのだろうか…。