edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

書評「小説 新聞社販売局」 販売現場のリアリティと左遷記者の復讐

久しぶりに新聞社を舞台にした面白い小説を読んだので書評。記者として全国紙に入社し、主に大阪社会部で司法や警察を担当する事件記者としてキャリアを重ねてきた主人公が、ある記事をきっかけに編集局長の怒りを買ったため販売局に左遷され、新聞販売店の…

読売新聞日曜版の連載マンガ「猫ピッチャー」、BS日テレでショートアニメ化

株式会社BS日本(本社:東京都港区、代表取締役社長:赤座弘一、以下BS日テレ)は、読売新聞日曜版にて好評連載中の大人気漫画「猫ピッチャー」のアニメ化を決定いたしました。「猫ピッチャー」は、ほのぼのとしたギャグ漫画で知られる、そにしけんじの…

ネット連動で示した災害放送の新たな地平「ラジオ福島の300日」

2011年3月11日14時46分の東日本大震災発生から350時間14分にわたり、CMをカットした連続生放送を行い、地震や津波、原発事故情報から生活・避難情報まで様々な情報を流し続けたラジオ福島の1年近くに渡る闘いをつづった書籍。55名の社員の大半が名前・年齢付…

テレビとネット、対極的な現場「ニュースに騙されるな」

在京テレビ局の政治部記者、ニュース番組のディレクターをまとめるキャップを経て、インターネットのポータルサイトでニュース部門の運営に携わった経験を持つ著者による新書。テレビとインターネットという、今や人々の暮らしにとって欠かせない情報メディ…

被災者とともに新聞を作り続ける「河北新報のいちばん長い日」

10月28日の刊行から日にちが経ってしまったが、ようやく読み終えた。1000年に一度と言われる大災害の中、自らも被災しながら地元の新聞社が、どのような境遇の中新聞を作り、ニュースを発信し続けたのか、その肉声による記録が詰まったドキュメント。河北新…

藤代さんの実体験が詰まったソーシャルメディア活用術「発信力の鍛え方」

ソーシャルメディアとジャーナリズムについて積極的な発言や活動をしている藤代裕之さん(ブログ「ガ島通信」)の新刊新書。はてなダイアリーの先輩ブロガーであり、同じくはてなでブログを開設している者として興味深く読むことができた。 一読して、読む人…

河北新報、後世に残す記録集「東日本大震災全記録 被災地からの報告」刊行

河北新報社は8月5日、『東日本大震災全記録 被災地からの報告』を初版5万部で発行した。新聞紙面に掲載した記事や写真、データなどを地域やテーマ別に再編集した。伊集院静氏が巻頭言を寄せている。 同社が4月8日に観光した写真集『巨大津波が襲った 3・1…

河北新報、英訳版の震災報道写真集と特別縮刷版を刊行

日本出版販売はこのほど、上半期(10年12月1日〜11年5月31日)のベストセラーを発表、河北新報社の『報道写真集 巨大津波が襲った 3・11大震災』が総合ランキングで16位に入った。トーハン発表の上半期ベストセラーでも「単行本・ノンフィク…

6月も震災本ラッシュ 岩手日報の写真集、東京新聞特報部の報道記録

東日本大震災の津波で大きな被害を受けた岩手県の地元紙・岩手日報が6月17日、「平成の三陸大津波 東日本大震災 岩手の記録」と題した報道写真集を出版した。A4判148ページで1,050円。売り上げの一部は被災地支援に寄付されるとのこと。 「平成の大津波…

読売と朝日の東日本大震災新聞縮刷版を比較した

東日本大震災を扱った報道各社の写真集がよく売れているという話題を先日紹介したが、朝日新聞と読売新聞は震災後1カ月の紙面を1冊にまとめた縮刷版を販売している。 それぞれ1500円前後と、通常の縮刷版(6000円程度)に比べ手ごろな価格であり、…

震災の報道写真集が総計250万部突破 河北が8刷40万部

新聞社などが発行した東日本大震災の写真集がいずれも版を重ね、主要なものだけでも250万部を突破する。東北地方での売れ行きが良く、テレビやネットで多くの映像が流れる中でも、記録性のある写真集への需要が大きいようだ。 週刊誌の増刊では、朝日新聞…

人はなぜネットを使うか「ウェブで儲ける人と損する人の法則」

久しぶりに読書感想。名著「ウェブはバカと暇人のもの」の中川淳一郎氏による続編にあたる本。前著は実も蓋もないウェブサイト運営でのビジネスの現実を自嘲気味に述べていたのに対し、今回はもう少し「ネットを活用すれば、やり方によってはいいこともある…

米の新聞社崩壊の轍を踏むな「ネットビジネスの終わり」

まだ新聞・出版業界の関係分しかちゃんと読んでないのでタイトルのような感想になってしまったのだが、著者が昨年11月に出した「情報革命バブルの崩壊」で描かれた状況から、マスメディア業界は一向に良くなる気配がなく、ついにアメリカの新聞社がバタバ…

決定版マスメディア崩壊論「2011年 新聞・テレビ消滅」

毎日新聞記者からアスキーで雑誌の編集を経て、現在ITジャーナリストとして活躍する佐々木俊尚氏の著書。すでに書評もたくさんでているが、テレビや新聞などのマスメディアは崩壊するという立場で書いた本としては、決定版とも言える内容。やや煽り気味に…

新聞販売店が舞台の萌え系マンガ「かなめも」

⇒はてなダイアリー 新聞販売店を舞台にした萌え系アニメ・マンガがあるということを上記の日記で知り、給料日直後だったので買ってしまった。カバーが目の大きさが顔の三分の一から半分を占めるセーラー服を着た少女だったので、かなり買うのに勇気が必要だ…

現場で学ぶネットとの付き合い方「ウェブはバカと暇人のもの」

著者は博報堂勤務や雑誌「テレビブロス」編集者などを経て、現在インターネットニュースサイトの編集者である中川淳一郎氏。本書内では特に言及されていないが、サイバーエージェントの運営するニュースサイト「アメーバニュース」の編集責任者のようだ。 刺…

米国ジャーナリズム変革の現場報告「ルポ 米国発ブログ革命」

著者は中日新聞経済部記者の池尾伸一氏。2005年から08年のニューヨーク特派員だった間にアメリカの30近くの街を訪れ、ブログがどのように米国社会を変えているかを丹念に取材した成果を新書判にまとめている。河北新報メディア局佐藤和文氏のブログ…

地方紙の挫折と挑戦をレポート「新聞再生 コミュニティからの挑戦」

著者は共同通信社デジタル編集部に勤務しつつ東京大学大学院大学院博士課程に籍を置きマスメディア・ジャーナリズムを専攻する畑仲哲雄氏。巷にあふれる「新聞危機説」は「大新聞危機説」であると説き、地方の読者にとって一番身近な新聞媒体である地方紙が…

ネットの無料文化はいつまで続く?「情報革命バブルの崩壊」

昨年秋に出た本。ユーザーや投資家の「期待」によって膨れ上がったネット社会を、世界的な金余りによってもたらされたバブルであると説き、無料や安価で利用できるネット社会のモデルが徐々に崩れていくのではということを考察している。 情報革命バブルの崩…

世論調査の仕組みと意義「世論調査と政治」

著者は朝日新聞社で長らく世論調査の実務に関わった経験から、面接調査・郵送調査・RDD(ランダムな電話番号を発生させる電話調査)といった調査手法の仕組みや質問項目の具体的な作成方法、内閣支持率や政党別支持率調査からみる政治といったテーマで一般向…

販売局の日常をまったり紹介「新聞社販売局担当員日誌」

朝日新聞の販売局次長であった著者による「新聞社販売局」の日常業務をつづった本。 新入社員パンフレットとかで語られる「販売局担当員の業務内容」を懇切丁寧に語っている。過去に自分がつけた勤務記録日誌をそのまま各章の冒頭に掲載し、それぞれの業務内…