edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

読売新聞、再び1000万部回復 年1回の恒例化か

 日本ABC協会は先日、2012年11月の月別部数を発表した。それによると、読売新聞(北海道、東京、大阪、中部、西部の合計)の朝刊販売部数は1000万7437部と、ちょうど1年ぶりに1000万部台に回復した。前月比で6万2415部増、昨年同月比で374部の減少となっている。データは12月15日付の業界紙・新聞情報に掲載されている。
 ちょうど1年ほど前にメモしたように、東日本大震災によって7万部を失った後、徐々に部数を増加させ、2011年11月に8カ月ぶりに1000万部を回復させた。しかしながら翌月の12月には早くも前月比6万部と1000万部を割り込んだ。
[参考1]⇒読売、17年ぶりに1000万部割れ 被災各県地元紙も大幅減 - edgefirstのメモ
[参考2]⇒読売新聞、11月ABC部数で1000万部回復 震災以来8カ月ぶり - edgefirstのメモ
[参考3]⇒読売新聞、再び1000万部割れ 前月比6万部減 - edgefirstのメモ
 推移をグラフにすると以下のようになる。11月の1カ月だけの契約を大量に集めた反動が翌月に出ているような感じだ。2012年1月は若干回復しているものの、2月にはさらに落ち込んでいる。3カ月契約で集めた読者の期間が終了したということだろうか。月刊誌FACTAの12月号の記事では、昨年11月の7万部増の裏には販売費は5億円をつぎ込んだという噂が紹介されている。
[参考]⇒ナベツネの「予言」は当たる?読売が「1千万部超え」再現:FACTA online
 グラフにするとはっきりするが、おそらく読売新聞社としては1年のうち1カ月でも1000万部を超えていれば、社の至上命題である「一千万部」を維持していると主張できるという判断なのだろう。部数が広告単価の基礎となる事情や、電子版シフトを着実に進める朝日・日経に対し、あくまで「紙」中心でいく方針を貫く上でも死守しなければならない事情はありそうだ。“一千万”という数字の持つインパクトを維持していくためには多少の無理は覚悟の上、という姿勢を感じさせる。
 ただ、2011年と2012年の4月〜10月を比較すると、5月以外の月で前年部数を1万部から2万部程度下回っている。他の新聞社も前年に比べ部数を落としているところが多いが、読売でもその傾向は変わらないようだ。1000万部を年に一度「帳尻合わせ」のような形でなんとか維持する一方、部数減については他社同様に苦しんでいる様子が伝わってくる。