edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

全国紙・スポーツ紙のLINE、Yahoo!ニュース、スマニュー、dメニューニュースの参入状況

前回の記事では、地方紙のポータルサイトやニュースアプリへの記事提供の現状についてまとめた。結果はLINEとdメニューが3分の2、Yahoo!ニュースが半分、スマートニュースが4分の1というもの。せっかくなので全国紙やスポーツ紙についても同様にまとめてみることにした。調査媒体は全国紙5紙、通信社2社、スポーツ紙(在京・在阪紙)5紙、夕刊紙3紙の計15媒体で、対象となるサービスは以下の4つ。

  1. LINEアカウントメディアプラットフォーム(ニュース提供社一覧
  2. Yahoo!ニュース(提供社一覧
  3. SmartNewsチャンネルプラス開設(2016/8チャンネル一覧
  4. dメニューニュース(ニュース提供元一覧

■全国紙・通信社・スポーツ紙・夕刊紙のニュース提供状況(2016年9月20日調べ)

全国紙  LINE Yahoo!ニュース SmartNews dメニュー
朝日新聞  ◯  ◯  ◯ 
読売新聞    ◯  ◯ 
毎日新聞  ◯  ◯  ◯ 
産経新聞  ◯  ◯  ◯ 
日本経済新聞  ※1    
通信社         
共同通信      ◯  ※2
時事通信  ◯  ◯  ◯ 
スポーツ紙         
日刊スポーツ  ◯  ◯  ◯ 
スポーツニッポン  ◯  ◯  ◯ 
サンケイスポーツ  ◯  ◯  ◯ 
スポーツ報知  ◯  ◯  ◯ 
デイリースポーツ  ◯  ◯  ◯ 
夕刊紙         
東京スポーツ    ◯  ◯ 
夕刊フジ    ◯  ◯ 
日刊ゲンダイ    ◯  ◯   
参加率  60.0% 93.3% 93.3% 86.7%

※1「日本経済新聞」名義での記事配信は行われていないが、ライフやマネーに関連する記事を「NIKKEI STYLE」として「雑誌ジャンル」の中で提供している。
※2共同通信は時事ニュースの配信は行っていないが、株式会社共同通信社(KK共同)が運営するトレンド・エンタメ情報サイト「OVO(オーヴォ)」「エンタメOVO」が記事提供している。

 夕刊紙を除き、いずれも地方紙よりかなり高い割合で各サービスに対して記事提供している。もはや記事配信しない方が少数派という状態だ。その中でも、日本経済新聞の「ほぼゼロ」はひときわ目立っている。過去20年近く続けてきた外部への記事配信を基本的に行わず*1記事を読むならば自社サイトに来て欲しいというポリシーは不変のようだ。

 対照的にスポーツ紙は5紙揃ってLINE、Yahoo!ニュース、スマートニュース、dメニューニュースへ記事提供している。スポーツ紙はここで対象にした4サービス以外の多くのポータルサイトやキュレーションサイトへ記事配信を行っており、すでに自社サイトで読んでもらうことに全くこだわりがない。各紙の決算報告などに掲載される事業の概況を見ていても、外部サイトへの記事配信収入が大きなウェイトを占めるようになってきているのは間違いない。だからこそ競うようにウェブメディアへの記事配信が行われているのだろう。

また、日経以外の全国紙も読売のLINEを除けば揃って参加しており、地方紙と比べても非常に高い。これは全国紙というブランドを考慮したプラットフォーム側からのアプローチも大きいだろうが、それと同じくらい都市部のユーザーへ記事に届け、報道機関としての影響力を保つためには、紙以外の力も使っていかなければならないという切迫感と使命感があるのではないだろうか。

*1:gooとの共同サイト「日経goo(2015/1終了)やあらたにす(2012/2終了)などで外部配信を行ったことはある。また、現状でもFacebookインスタントアーティクルで一部記事の全文配信を行っている。