edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

日経、ビジネスニュースアプリ「ニード」試験公開 5媒体の記事を再編集、英語教材も

日経の独自取材に基づく信頼のおける記事を、日本経済新聞、日経電子版をはじめ、日経産業新聞日経MJ(流通新聞)など、日経グループの発行する有料媒体から、今おさえておきたいビジネス情報をさまざまなテーマに基づいて編集しています。1日の仕事始めやちょっとしたすき間時間に、手軽にビジネス情報をインプットできます。
有料化を予定していますが、当面は試行期間として無料提供します。

 日本経済新聞社は9月2日、スマートフォン向けビジネスニュースアプリ「Niid(ニード)」をiOSiPhone/iPad)向けに提供開始した。有料化を予定しているが、当面は試行期間として無料で利用できる。Android版はまだリリースされていない。

[iOSアプリ]⇒iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 ビジネスに「!」を。Niid by NIKKEI

 コンテンツとしては、日経が発行する日本経済新聞日経MJ(流通新聞)、日経ASIAN REVIEW、日経ヴェリタスの5媒体から、現代のビジネスパーソンがおさえておくべきニュースを編集者がセレクト。「経営視点」「顧客視点」「グローバル視点」という3つの視点から8本の記事が配信される。その日のメイントピックについては3本の記事が、その他に5本の記事がスマートフォンで読みやすいよう、記事のポイントを要約した見出し、記事を読むための所要時間を「○分」と明記して用意される。

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 ビジュアルのインパクトを重視した写真の使い方は、キュレーションマガジン「Antenna(アンテナ)」を彷彿とさせる出来栄え。また、など、今が旬のニュースアプリの影響を色濃く受けているが、ニュースソースを自社の有料媒体に限っているところが大きく異なる。ちなみに日経は「キュレーションアプリではありません」ということをツイッター上で強調している。

 また、「英語で聴く日経」というコンテンツもあり、1分から3分程度の1日5本のニュースを英語で聴くことができる。通勤・通学の間に、スマホで音楽を聞く代わりに英語の勉強をすることもできる。

 ニュースソースを自社に限るというのは賛否あるだろうが、いったんニュースがキュレーションアプリに載ってしまうと、ユーザーは配信元ではなく「アプリで読んでいる」と意識する。日経としてはデジタル上でも「自社ブランドとしてユーザーにニュースを届ける」ことを最重要課題としているのだろう。奇しくも翌日(9月3日)、朝日新聞がスマートニュースにチャンネルを設けたことにより、読売、朝日、毎日、産経の一般紙の大手4紙が同一ニュースアプリ上で足並みがそろうことになった。

[参考]⇒スマートニュースに4大全国紙の専門チャンネルが出そろう - CNET Japan

 スマホ向けピックアップニュースと英語学習教材を組み合わせるという、「ちょっと背伸びしたい」都会のビジネスパーソンを直球で狙ったアプリだ。当面は無料とのことだが、個人的には「英語で聴く日経」がもっと充実するならば、月500円くらい払ってもいいくらいに感じた。

 先日ブログで紹介した「超サクッ!ニュースまとめ」と同様に、ターゲットとするユーザーやデバイスに合わせ、既存の素材を再構成して届ける媒体だ。新たな取材が必要となるわけではないが、トピックの取り上げ方、ビジュアルの使い方、要約と見出しの構成など、スマホ向けならではの編集センスが問われる。他のニュースアプリの多くがプログラムとアルゴリズムの産物であるのに対し、人の手による編集がどこまでユーザーの心を掴むことができるか期待したい。