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edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

読売新聞が年間通じ1000万部を割り込む 21年ぶり、1年で66万部減

 日本ABC協会が発表した2014年12月の読売新聞(東京・大阪・西部・北海道・中部の合計)の朝刊販売部数は、前年同月比62万4968部減少の914万2753部となり、2014年1年間を通して1000万部を割り込んだ。発行部数が1000万部の大台を突破したのは1994年(平成6年)5月なので、年間を通して大台に達しなかったのは21年ぶりの出来事となる。

 読売新聞は東日本大震災が発生した直後の2011年4月に6万部を失ったことで1000万部を割り込んだ後、創立記念式典が行われる毎年11月を目標月とし、1カ月だけ部数を一気に積み上げて1000万部を維持するという政策を3年続けてきた。しかし、2014年は年明けから前月比で大幅なマイナスが続いた。8月から9月にかけては朝日新聞の慰安婦報道訂正を機に営業攻勢をかける「A紙作戦」を実施。9月に約9千部、10月に13万部を積んだものの、11月2万6千部減、12月20万部減と最終的には1年で66万部の減少となっている。「A紙作戦」は週刊誌等でも取り上げられ、かえって多くの反発を買い、代表取締役の白石社長が10月に行われた新聞大会の席上で謝罪するまでの事態となった

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 上のグラフは長年に渡り読売が金科玉条としてきた1000万部を基準にした部数を増減を示したものである。2011年から2013年にかけ、11月だけ1000万部を少し上回るということを繰り返してきたが、さすがに今年に入っての大きな減少幅では上積みできなかったようだ。実際には4月の消費税増税を機に過剰な予備紙を整理した(発行本社から販売店に送る部数を実情に合わせた数字に近づけた)という見方が業界では一般的だが、予備紙を受け入れるだけの余裕が販売店や本社にもなくなってきているということでもあるのだろう。

 ちなみに渡辺恒雄グループ本社会長は1月9日に行われた新春所長会議のあいさつで、本社幹部、販売店主やグループ会社の代表を前に以下のように話している。

 読売新聞がさきほど1年間で66万部減少したと申しましたが、この10年間で全国の新聞全体の減少数は800万部に達しております。全国の新聞の部数は2004年には5300万部ありました。それが昨年、つまり2014年には4500万部に減っておるのであります。この減り方からすれば読売新聞の、全部の新聞に対するシェアがかつて1千万部と称しましたので、ほぼ2割と見れば、66万部の減少率は低い。つまりいい方と言えなくはないと思います。地方紙の社長さんの話を聞いてみましても、50万部前後も持つある大きな県紙が読売の減少率よりももっと大きな減少率で部数を失ったということも聞きました。
 また、全国紙でも朝日新聞はお気の毒に慰安婦問題などに直面したせいもありましょうが、702万部くらいになったと聞いております。これまで、おおむね200万部の差が朝日、読売の間にありましたが、その差は拡大しつつあると思われます。さらに、読売新聞の財務は、営業利益、経常利益、当期純利益などいろいろな指標上、他の新聞に比べ最高の水準を維持しております。
(2015年1月24日付新聞情報より)

 他社の減少率に比べればまだ読売はマシで、財務体質は依然盤石だから安心せよということなのだろうが、「かつて1千万部と称した」と過去形で語っているあたり、1000万部の回復は現実的な目標ではないと受け取ることも可能だ。

 良くも悪くも「1000万部」というわかりやすい指標を掲げ、それを社員や販売店の求心力としてきた読売の伝統もついに過去のものとなった。それに代わる指標をどう打ち出していくのか。渡辺会長の新年あいさつを読む限りでは「新聞の信頼度を上げる」くらいしか目につかない。心なしか“ナベツネ節”も自信や勢いが落ちているようにも感じる。88歳と高齢でもあり、昨年11月には寝室で転んで骨折し、救急車で運ばれ1カ月以上入院していたそうだ。そろそろ潮時では、というのは多くの人の意見が一致するところではないかと思うが…。