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edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

読売・白石社長、一部販売現場の行き過ぎを陳謝 朝日の誤報検証で

ネタ

 日本新聞協会の第67回新聞大会が15日午後、新聞、通信、放送各社の代表者ら約490人が参加し新潟市で開かれた。新聞への信頼が揺らいでいることを自覚し、正確で公正な報道に全力を尽くすことを誓う大会決議を採択。社会・文化の発展と読者の負担軽減のために消費税の軽減税率を新聞に適用することを求める特別決議も採択した。
 さらに、ソウル中央地方検察庁が今月、朴槿恵(パク・クネ)大統領の動静に関する記事を書いた産経新聞の前ソウル支局長を名誉毀損で在宅起訴したことに対し、取材活動を萎縮させる行為だとして処分撤回を求める決議を採択した。
 同協会会長の白石興二郎読売新聞グループ本社社長は「来年にも予定される消費税率の再引き上げに際し、報道の果たす公共的な役割を再度確認し、実践していくことを誓いたい」と述べた。
 研究座談会では新聞の信頼回復をテーマに議論。冒頭、木村伊量・朝日新聞社長が、東京電力福島第1原子力発電所事故の政府事故調査・検証委員会などを巡る一連の誤報問題に触れ「新聞業界全体の信頼を大きく損ねたことをおわび申し上げる」と改めて陳謝した。
 朝比奈豊毎日新聞社長は大会決議にある「品格の重視」に触れ「販売の現場でもかみしめていかなければいけない」と発言。これに対して白石社長は「朝日の訂正報道の直後、読売の販売現場の一部で、行き過ぎた販売活動により迷惑をかけたとすれば、おわびしたい」と述べた。
正確・公正な報道に全力 新潟で新聞大会  :日本経済新聞

 10月15日から新潟で行われた第67回新聞大会。今年の新聞協会賞や新聞広告賞などの表彰や、新聞社のトップが出席し「新聞の信頼回復」をテーマにした座談会が行われた。その座談会の中で読売新聞グループ本社白石興二郎社長が、「吉田証言」「吉田調書」などの朝日新聞の誤報検証を告知する際、販売現場で一部行き過ぎた営業活動があったことを認め、謝罪した。

 全国紙の中では日本経済新聞だけがその謝罪について記事中で触れている。もう少し詳しいやりとりの内容が業界紙・新聞情報に掲載されているので、関係分を以下に引用する。

朝比奈(毎日新聞社長) 朝日新聞の訂正報道、謝罪のあとで、新聞界で相互批判が行われていることは、さまざまな面で信頼失墜につながると思う。今回「課せられた使命を肝に銘じ、自らを厳しく律しながら、品格を重んじ、正確で公正な報道に全力をつくすことを誓う」ことを決議した。報道はもちろん、この決議は販売現場も噛みしめなければならないことを、大会出席者共通の認識として持つべきだ。

白石 朝比奈社長の発言は私の勘が正しければ、読売新聞の販売現場に対する批判であると思う。批判は甘んじて受ける。慰安婦問題をめぐる朝日新聞の訂正報道の直後に、一部がそれを千載一遇のチャンスと捉え、販売現場へ檄を飛ばした。実は檄を飛ばすことを社長の私も、会長・主筆の渡辺も知らなかった。後で報告が来て即刻、中止させた。そうした行き過ぎた販売活動が、皆様に迷惑をかけたとすれば、私もお詫びしたいと思う。
(2014年10月22日付新聞情報より)

 ここでいう「行き過ぎた販売活動」とは、週刊誌等で話題になった読売の「A紙作戦」のことと思われる。例えば週刊現代9月20日号「慰安婦報道でライバル・読売が大攻勢!」、FRIDAY10月17日号「すごいぞ読売新聞! 朝日潰しで全社一丸大攻勢」で詳しく報じられている。本社から販売店の連絡で、朝日に対する逆風が吹き荒れていることを「千載一遇のチャンス」と強調し、読売本社負担で刷ったパンフレットを朝日読者や元読売の読者の家にバラ撒き、本社が「A社やA販売店が一番苦しい時に徹底的に攻撃を仕掛けましょう!」と指示したことなどが生々しく描かれていた。

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 ただ、白石社長は「われわれは慰安婦問題は国際的な影響が大きいこともあり、紙面を通じて情報発信をしようと考えている」と同じ座談会の中で発言しており、出版物や紙面、ウェブサイトなどを通じ、朝日の誤報問題や慰安婦問題の検証を今後も続けていく姿勢は堅持している。あくまで主張は言論で伝えていくということであり、それと販売活動がダイレクトに結びついてしまったことは不本意であったということなのだろう。

 さすがに販売活動でストレートにネガティブキャンペーンを打ち出してしまったのは、読売のトップとしてもやり過ぎと思ったのだろう。以前このテーマを取り上げたブログ記事にも「日本最大部数の新聞がやることか」「泥仕合はうんざり」「怪文書みたい」など、多くは読売の行き過ぎを指摘する声が届いたが、そういった声が読売本社にも数多く届き、どこかで釈明する必要があると考えたのではないだろうか。

 2014年9月の朝刊部数合計をABC部数で確認すると、朝日は前月比マイナス38,155と減少幅が拡大したのに対し、読売は前月比プラス8,770で、今年2月から続いていた減少がようやく止まりプラスに転じていた。朝日の誤報問題とそれに乗じた読売の営業攻勢は、少なからず営業現場に影響を与えているようだ。