edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

毎日新聞、海外向け電子版を開始 Newspaper Direct社のシステム利用

 毎日新聞社は5月1日朝刊から、海外在住者向けにパソコンなどで朝刊が読める新サービスを始めました。パソコンでの利用者はニュースペーパーダイレクト社のサイト(http://www.pressdisplay.com/pressdisplay/ja/viewer.aspx)にアクセスします。iPadなどの端末からの利用者はリーダーアプリをダウンロードします。いずれも、国別に分類された1700紙の中から毎日新聞を選ぶと、1部1ドル98セント(約162円)で購読出来ます。
 また、同じアプリから毎日小学生新聞を選ぶと1部99セント(約81円)で購読出来ます。
 読める紙面は広告を除いたほぼすべてで、日によって違いますがおおむね毎日新聞朝刊が20ページから26ページ、小学生新聞が8〜12ページほどになります。誌面のうち著作権の関係で掲載できない記事が一部あります。
 端末はパソコンのほか▽iPad、キンドル、ソニーリーダーなどのタブレット型端末▽iPhone、ブラックベリー、アンロドイドを登載したスマートフォンで利用できます。
  このサービスは海外でのみ利用可能で、日本からは接続出来ません。
毎日新聞と毎日小学生新聞 パソコンで読める新サービス - 毎日.jp

 毎日新聞は5月1日から、海外在住者向けに朝刊と小学生新聞をインターネット経由で閲覧できるサービスを開始した。カナダに本拠をおく情報配信会社Newspaper Direct(ニュースペーパーダイレクト社)のシステムを利用し、パソコンのウェブブラウザのほか、iPhoneiPadアプリ、アンドロイド搭載のスマートフォンなどで閲覧できる。広告を除いたほぼ全ての面を閲覧可能。キンドルやブラックベリー、ソニーリーダーといった端末まで対応端末に並べているあたりはさすが海外向けだ。
 もともとニュースペーパーダイレクト社といえば、世界各地のホテルや空港、書店などに端末とプリンタを設置し、各国のその日の新聞を印刷して提供するサービスを行ってきた会社。同社のウェブサイトによると、現在では94の国、48の言語で1840もの新聞社が対応している。日本の新聞社ではこれまで読売新聞、スポーツ報知が対応している。同社のシステムのわかりやすい解説は、以下の記事が参考になる。
世界の主要都市で読売新聞が読めます : お知らせ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
 今回毎日新聞社は、ニュースペーパーダイレクト社の「Press Display」というプラットフォームを利用し、紙での提供だけでなく、オンラインでも読めるサービスを開始した。現在のところこのプラットフォームでは、世界92カ国、48の言語で1700種類以上の新聞がオンラインで読めるとのこと。なお、プリント版とオンライン版を合わせた媒体のリストは以下のリンク先から。読売・報知の場合はプリント版のみの提供だが、システムは共用化されているので、判断しだいでオンライン版を出すことは即可能だと思われる。
List of International Newspaper Titles for Newspaper Subscriptions
 日本国内からは利用不可と言うことで、意味合いとしては国際版(衛星版)の代替用途といったところか。海外でも朝日、読売、日経は紙の新聞の配達を利用できるが、日本国内に比べ料金が非常に高く月1万円以上はざらである(参考)。インターネットによって参入障壁が一挙に下がったということなのだろう。日経は電子版の宣伝で「海外からも東京と同じ情報が読める」ことをアピールしており、パソコンだけでなく多様な端末で閲覧できるようになった今、国際版を紙で発行する必要性はほぼ消えつつあるといってもよいかもしれない。
 毎日が昨年創刊したツイッターと連動する新媒体「毎日RT」も、4月26日に電子版が始まった。こちらも同じくニュースペーパーダイレクト社のシステムを利用している。せっかく昨年に共同通信に再加盟したのだから、共同がプラットフォームとして構築し、中国新聞山梨日日新聞がすでに利用している「NewsOasis」を使ってあげればいいのに、と思ったり。