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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

産経の韓流エンタメ週刊新聞「韓Fun」好調 10カ月で5万部増


 産経新聞社が発行する韓流エンタメ情報を扱った週刊新聞「韓Fun」が好調とのこと。2011年4月27日に「韓国エンターテイメントの“今”を完全収録」をキャッチフレーズに創刊。週1回、毎週水曜日発行で1部300円となっている。購入は首都圏や京阪神を中心としたコンビニおよび駅売店で。産経新聞販売店からも宅配可能。
 業界紙の産経・熊坂社長へのインタビュー(2012年1月4日付新聞情報など)によると、「社員による提案から生まれた企画で、当初4人体制でスタート。発行部数は15万で完全な黒字。中間決算の利益増にも寄与。メイン購読者は30〜40代女性。とりわけ名古屋地区で好調」とこと。スタート時の発行予定部数は10万部であったことから、10カ月で5万部ほど伸びたことになる。
[創刊時の記事]⇒産経、韓国芸能週刊紙「韓Fun」創刊へ 1部300円、10万部発行 | 報道界ニュース|日本新聞協会
 現在韓funの編集長を務めるサンケイスポーツ文化報道部次長の宇佐美彰彦氏のブログによると、「当初は首都圏の1都3県と京阪神だけでスタートが、その後、名古屋、福岡と徐々に販売場所を拡大。名古屋地域はさらに販売場所が増える予定」そうだ。
[該当エントリ]⇒韓Fun創刊から30号:イザ!
 サンスポe-shopという通販サイトでは送料1部80円でオンライン購入も可能。面白いのは「売れた順」に各号を並び替えることが可能なこと。東方神起、SUPER JUNIOR、キム・ヒョンジュンを表紙に取り上げたときの売り上げが良いことが一目でわかる。3カ月や6カ月の定期購読のオンラインでの購入件数までわかってしまう。
 芸能エンタメ情報の新聞形式のパッケージで商品化という点では、日刊スポーツのAKB48新聞よりも一足早く軌道に乗せた産経。週刊で300円だから、月刊で同価格のAKB新聞よりも収益性が良さそうに感じる。日ごろあまり馴染みがない人間にとっては、そんなに韓流エンタメにニーズがあるのかと思えてしまうが、レンタルDVD店の韓流コーナーの異常なほどの面積拡大を思えばさもありなんということなのだろう。
 ひょっとしたら、スポーツ紙の未来はジャンル特化型の専門新聞群なのだろうか。例えばサッカーファンの間では「エル・ゴラッソ」が一定の地盤を築いている。これまでスポーツ紙は野球を中心に、サッカー、相撲、その他スポーツ、競馬などの公営ギャンブル、芸能情報を幅広く盛り込んできたが、趣味娯楽が多様化し「より深い情報」を求める人が増えてきた結果、一つの媒体で完結するのではなく、専門性の高い媒体にニーズが生まれる。紙は雑誌ほど上質にせず、印刷を空いた時間に行うことで輪転機の稼動を上げ、制作コストを抑える。そうして出来上がった商品を、コンビニエンスストアや駅売店という「売り場」に毎日配送できる既存ルートを持つ新聞販売会社と、宅配網を持つ新聞販売店の力を使うことで流通させ、結果的に雑誌よりも安い単価で提供できる。一つのモデルとして定着しつつあるのではないか。
 さて、次はどういう媒体が出てくるのだろうか。「ジャニーズ新聞」をどこかが狙っていたりして(笑)