中国新聞、メール・紙面・配達網で地域の安心・安全支援
中国新聞社は1日、新聞紙面と電子メール、配達網を活用させた「安心・安全 結ぶプロジェクト」をスタートさせた。来年2012年に創刊120周年を控え、総合メディア企業として、公的機関とも連携しながら地域の安心・安全をサポートする。
紙面では朝刊くらし面の月曜日付けメニューを「安心・安全」とし、生活に役立つ記事を届ける。登録無料の「ちゅーピーメルマガ」は、毎日届くデイリーメールや号外メール、広島県内の警報・避難情報・地震情報などのメールが届く「基本メルマガ」と、登録者が自由に選択できたり購読者限定の「オプションメルマガ」で構成。購読者限定のメルマガには県内の交通情報や県警との提携による防犯情報、インフルエンザや食中毒などの保健速報がある。
高齢者や単身世帯を見守る「ちゅーピーホッと・らいん」は、読者世帯に新聞が数日取り込まれていないなどの異常があった場合、販売店から親族や地域包括支援センターへ連絡され、必要な措置がとられる。登録は無料。親族の連絡先など中国新聞各販売店で受け付けている。
(2011年12月7日付新聞情報より)
中国新聞社が「安心・安全」をキーワードに、紙面・電子メール・販売店の配達網の3つを複合的に組み合わせたプロジェクトを12月1日より開始した。12月2日には広島県警との間で安心で安全な社会づくりを目指し、連携して情報を発信する覚書を締結。県警発の情報を電子メールで提供していくことが柱となっている。
[該当記事]⇒地域ニュース | 中国新聞デジタル
この「ちゅーピーメルマガ」では、全員が受け取れる「基本メルマガ」と、必要に応じて登録できる「オプションメルマガ」がある。「オプションメルマガ」は、スポーツ試合速報以外は購読者限定。それぞれの主な内容は以下の通り。
基本メルマガ
オプションメルマガ
[公式紹介ページ]⇒http://town.chupea.jp/club/
なお「ちゅーピーメルマガ」は、中国新聞社の読者会員組織「ちゅーピーくらぶ」に入ってるかどうかは関係なく登録できるとのこと。やや名称が紛らわしい。
安全・安心をキーワードにしたサービスと言えば、郵便番号を入力することで地域の安全情報を一覧できる朝日新聞の携帯電話有料サービス「朝日ライフラインNEWS」というサイトが思い浮かぶ。朝日が全国を対象にしたサービスなのに対し、中国新聞のサービスは広島県内に限定して始める。全国一律よりもキメ細かい情報が入ってきそうな感じだ。情報元となる県警など公的機関とも物心両面で近い距離にあり、情報の入手や伝達体制の構築で地元新聞社のアドバンテージを生かせるのだろう。メールという単純な仕組みを採用することで、逆にサービスのシンプルさをアピールできると同時に、社内の運用基準を明確化できるメリットもありそうだ。
このサービスで直接的な収益を上げるは難しいだろう。ただ、地域の安心・安全をキーワードに紙面・デジタル・配達網を活用したサービスを一つのパッケージとして読者に提供するというコンセプトは、他の地方紙にとっても参考になるのではないだろうか。