河北、山形は新潟日報 岩手日報は東奥に 震災時の援助協定まとめ
東日本大震災の発生から1週間が経過したが、時間が経つにつれ被害の状況が明らかになり、各紙ともにテレビ欄を中面に収容した緊急紙面で報道に努めている。
そんな中、新聞協会のウェブサイトに震災直後の地方紙各社の新聞発行状況をまとめた記事が出た。地方紙各社は災害時に相互援助協定を結んでおり、今回も紙面や印刷を委託する体制が有効に機能。空前の大規模災害でも紙面発行を休まなかったことがよくわかる。東北各社の状況を以下に簡単にまとめ。
⇒≪東日本大震災≫新聞発行に甚大な被害 特別態勢で発行継続 |日本新聞協会
デーリー東北(青森)
停電で輪転機の使用ができず、12日付朝刊(4ページ)は岩手日日新聞社に印刷を委託。岩手県一関市から新聞を運び、配達した。その後は復旧し自社印刷に。
茨城新聞
通常印刷している読売の茨城西工場が停電となったため、12日朝刊(4ページ)は東京北工場で印刷。読売が茨城県内まで輸送。その後、停電のため読売の工場にデータが送れなくなったため、栃木の下野新聞に紙面制作と印刷を依頼。整理記者や販売局員を派遣し、13、14日付紙面を制作、印刷した。
ただ、これはあくまで「紙面を制作できた」「印刷できた」というものであり、全ての読者に届けることができたというわけではない。販売店の方々も甚大な被害を受け苦しむ中、懸命に配達を続けられているが、どうしても限界はあるだろう。
被害拡大が長期化する中、次の課題は紙や燃料などの物資の不足か。震災の影響で宮城と岩手にある新聞用紙を生産する4工場が当面、操業不能となった。この4工場で国内供給の約17%を占めているとのことで、全国紙や中部地区、西日本の新聞社も減ページなどの影響が出てくる可能性は大きそうだ。
⇒≪東日本大震災≫製紙4工場が被災し操業不能 用紙使用量抑制を協会に要請|日本新聞協会
(2012/3/23 0:26追記)新聞用のインキの生産にも影響が出ている模様。インキ使用量や色数の抑制の申し入れが新聞協会に対してされたとのこと。
⇒:日本経済新聞