朝日、asahi.comなど自社サービスのCMをネットユーザーから募集
朝日新聞社は、映像CMコンテスト「第5回勝手CMアワード」にて、朝日新聞社デジタルビジネスセンターが運営する4つのデジタルサービス(1.総合情報サイト「アサヒ・コム」、2.携帯向け有料ニュースサイト「朝日・日刊スポーツ」、3. 無料用語解説サイト「kotobank」、4.CGM 型携帯サイト「参考ピープル」)の30秒CMを募集している。
「勝手CMアワード」は、株式会社ムービーインパクトが主催するCMコンテストで、クリエイターが自由な発想で映像CMを制作し、エントリーされた作品を審査の上で表彰するもの。
事前審査でノミネートされた作品の中から、ユーザー投票で「第5回勝手CMアワードグランプリ」1作品を、審査員による審査で「アサヒ・コム賞」「朝日・日刊スポーツ賞」「kotobank賞」「参考ピープル賞」をそれぞれ決定する。入賞者には副賞として各3万円を贈呈。
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人気ITニュースサイトを運営するCNET Japanを買収し「朝日インタラクティブ」という新会社を設立したり、フリーSNSであるOpenPNEを開発した手嶋屋・ネット上でエンターテインメントコンテンツを提供する芸者東京エンターテインメントといった「エッジの効いた」ネットベンチャーと提携して携帯サイト「参考ピープル」を立ち上げるなど、不況の中でもデジタルメディア方面に力を入れ続ける朝日新聞社がまた面白い試み。
asahi.comや携帯サイト「朝日・日刊スポーツ」といった自社メディアをPRするムービーCMをユーザーに自由に作ってもらい、ユーザー投票や審査によって優秀作品を選んで表彰するというもの。
この「勝手にCMアワード」を主催する株式会社ムービーインパクトは映像制作会社で、これまで4回行われているが、これまでは文字通り「勝手」に企業のサービスや商品を紹介するムービーを募っていた。ムービーインパクトのウェブサイト上で、リクルートのホットペッパーやNTTのフレッツ光を題材とした過去の作品を表彰したイベントの記録を見ることができる。実際のムービーは「1mini.tv」というウェブサイトで閲覧可能だ。
ムービーインパクト社のHPでは「クリエイターに「勝手に」CMを制作されてもよいという、理解ある企業様を募集しております。」の記載があったが、どうもこの朝日新聞社による企画が初の「公認」企画のようだ。
若い世代やネットユーザーに敷居が高いと思われがちな新聞社のサービスをPRするムービーが果たして集まるか? そもそも「kotobank」や「参考ピープル」といった思わず「何それ?」と聞いてしまいそうなくらい知名度が低いサービスのCMが本当に集まるのか? などと勝手に不安に思ってしまうが、そこは映像制作会社が主催することで、無理にでもエントリー作品を出してくるのかもしれない。しかし、このような取り組みを通しネットの世界にも足を踏み入れ、勢いのある会社とともにネットで話題になりそうなイベントを仕掛けていこうという姿勢は(収支面も含めて)非常に勇気のあることだと思う。ネット上では「アカヒ」やら「朝(鮮)日(報)新聞」などの蔑称で悪しざまに言われることも多い朝日新聞だが、こういう取り組みからは今後とも目が離せない。