NYタイムズのデジタル部門が求める人材は結構ハイレベル
経営不振を理由に、10/19に編集部門で人員の8%にあたる100人の削減を発表したNYタイムズだが、メディア・パブさんで「編集スタッフを100人削減する一方で,デジタル部門の14職種を募集」というエントリが出ていた。
同社の求人ページによると、ソフトウェア開発者や広告配信システム管理者、FLASHデザイナーなど14の職種で人員を募集しているとのこと。
せっかくなので、どのようなスキルが要求されるのか眺めてみると、これがなかなかハイレベルな条件である。募集職種の1つであるWeb Developer(ウェブサイト構築担当者) について、求められる条件を適当に訳してみることにする。
・必要なもの
- Javascriptの専門知識。5-7年のJavasciptによるウェブサイト開発経験
- 2年以上のAjax経験。Javascriptライブラリやフレームワークを使いこなす深い知識。
- CSSとセマンティック・マークアップに関する深い理解。tableを使わないレイアウトができるだけではだめ。
- オブジェクト指向プログラミング言語の能力少なくとも1つ(PHP5、Java、C++)
- 情報関連の学位または同等の経験
- ソフトウェア開発の基本理解。オブジェクト指向などのデザインパターン。
- CSSとJavascriptのクロスブラウザ対応に関するしっかりとした把握。
- 優れたコミュニケーションスキル。口頭と文書の両方。
- 複数かつタイトな納期をこなしていくための効率的な時間管理能力
・あるとよいもの
- XMLとXSLTの実務的な知識。
- ActionScript2.0の技能
- プロジェクト推進型のウェブサイト開発経験
たぶんシステム開発やウェブサイト構築の知識がない人にとってはチンプンカンプンのフレーズばかりだろうが、これだけの条件を満たす人がそうそういるのだろうか。そもそも条件を満たす能力を持つ人材が、斜陽産業であるマスメディアに行こうと思うだろうか…。
ウォールストリートジャーナルの有料化宣言に続き、有料化の可能性が取りざたされているNYタイムズだが、デジタルメディアでお金が取れるようなコンテンツを作っていくためには、従来ながらの「ネタが取れる」「書ける」記者だけでなく、こうした新しい技術に強い人材が必要なのだろう。