朝日新聞、「特典電子版」開始 朝夕刊セット読者に紙面イメージ無料提供
朝日新聞社は、デジタルの新サービス「特典電子版」を4月1日午前10時からサービスインする。同サービスは朝日新聞を朝刊夕刊ともに購読している顧客限定で、紙の新聞そのままの紙面イメージがデジタル端末で読めるサービス。すでに提供している朝日新聞デジタルとは別のサービス。
サービス内容は朝日新聞の東京、大阪、名古屋、西部(福岡)各本社発行の当日を含む過去7日間の朝刊・夕刊を紙面イメージで読むことができる。また、当日の全国の地域面も紙面イメージを読むことができる。利用端末はパソコン・スマホ・タブレットで利用可能。朝日新聞の購読料のみで利用ができ、このサービスへの追加料金はかからない。
案内に関しては、朝日新聞を購読の担当の朝日新聞販売所(ASA)から顧客に直接パンフレットを届けるルートでのみ行う。
(2014年4月1日付新聞報より)
朝日新聞が4月1日より、朝刊夕刊のセット読者を対象に新たな無料のサービスを開始した。その名も「特典電子版」といい、現読者は追加料金無しでデジタル端末で紙面イメージを閲覧できるというサービス。有料の「朝日新聞デジタル」とは別個のサービスとなる。パソコン、スマートフォン、タブレットの各端末で利用でき、パソコンはウェブブラウザから、スマホ・タブレットはアプリをダウンロードして利用する。
[案内・PC版の利用]⇒朝日新聞 特典電子版
[iPhone/iPadアプリ]⇒iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 特典電子版
[Androidアプリ]⇒特典電子版 - Google Play の Android アプリ
告知と利用案内については、販売店から届けられるパンフレット一本に絞っているようだ。朝日新聞デジタルのサイトなどからリンクが貼られていないため、Googleで「特典電子版」と検索しても、App Storeのアプリ紹介サイトはヒットするが、上記の案内サイトが上位にヒットしない(4/4現在)。販売店から届けられるパンフレットの表面には「特典番号」と販売店名が印刷されており、その番号を入力しなければ利用登録できず、読者でなければ登録できない仕組みを構築している。
PC版を利用したところ、朝日新聞デジタルの紙面イメージビューアーと類似しているが、朝日新聞デジタルにあるテキスト連携機能(個々の記事を横書きのテキストで読む機能)や、気になった記事をスクラップして保存しておく機能などはない。紙面を端末上で拡大縮小して閲覧することに特化したビューアーと言えそうだ。さらに詳しく使いたいならば月々の料金を追加して、朝日新聞デジタルに入って欲しいということなのだろう。
ウェブ上でほとんど告知していないため、ひっそりと始まったかに見えるこのサービス。念頭にあるのは昨年12月に始まった毎日新聞の新聞購読をしていれば無料で電子版が使える「愛読者セット」への対抗と、朝夕刊のセット読者に対するサービス充実だろうか。*1
時を同じくして読売も「読売プレミアム」で紙面イメージの提供を始めている。各社とも方針に少しずつ違いはあるが、デジタル端末に紙面画像を提供することが必要(少なくともマイナスではない)と判断するようになったようだ。紙にこだわらず、好きな媒体で読んでくれればいいという共通認識ができつつあるということなのだろう。
これにより、有料の朝日新聞デジタルを止めて特典電子版に乗り換えるという人も若干はいるかもしれない。「別のサービス」と言うくらいだから、まさか朝日新聞デジタルの会員数に特典電子版の会員を含めるということはないだろうが…。