日経の合計購読数308万 電子版単独5割越すも、紙落ち込み前年比約8万減
日本経済新聞社は16日、2013年12月の「日本経済新聞」朝刊販売部数(日本ABC協会公査)と14年1月6日時点の「電子版」会員数を公表しました。新聞部数と電子版有料会員数をあわせた購読数は308万9768になります。日経新聞では半年ごとに最新の部数、会員数を紙面、電子版でお知らせしています。
(2014/1/17付日本経済新聞朝刊 <お知らせ>本紙・電子版 購読数308万より)
日本経済新聞が1月17日の朝刊紙面で、朝刊の販売部数と電子版の会員数を合わせた購読数を307万9768と発表した。日経は2012年6月から半年ごとに、朝刊部数と電子版有料会員を合わせた数字を「購読数」として発表しているが、今回初めて電子版有料会員のうち電子版単独読者の比率が5割を超えた。下にこれまでの推移を表にまとめたが、発表ごとに電子版単独の割合が少しずつ拡大している。
「購読数」という聞き慣れない表現は、紙と電子版のセット(Wプラン)の契約者について、紙と電子版の数字をダブルカウントしているためと思われる。違和感がなくはないが、電子版単体の内訳を明示しているので、合計数という意味では一応は意味は通る。
雑誌の電子版部数についてはすでにABCのレポートで定期的に公表されているが、新聞の電子版については日経以外で定期的に発表するような社はない。他社はまだ発表できるような数値ではないということなのだろう。
14年1月 | 13年6月 | 13年1月 | 12年6月 | |
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購読数合計 | 3,089,768 | 3,145,590 | 3,168,283 | 3,188,391 |
朝刊販売部数 | 2,754,709 | 2,839,553 | 2,914,638 | 2,970,675 |
電子版有料会員数 | 335,059 | 306,037 | 253,645 | 217,716 |
(うち電子版単体) | 167,974 | 150,150 | 118,920 | 98,970 |
電子版単独比率 | 50.1% | 49.1% | 46.9% | 45.5% |
電子版会員数(無料含む) | 2,129,573 | 1,944,861 | 1,695,684 | 1,466,412 |
購読数合計・前期比増減 | -1.8% | -0.7% | -0.6% | - |
電子版部数・前期比増減 | 9.5% | 20.7% | 16.5% | - |
朝刊部数・前期比増減 | -3.0% | -2.6% | -1.9% | - |
電子版は半期ごとに順調な増加を続けているが、一方で紙の部数は徐々に減少幅が拡大していることもわかる。朝刊部数は前年比16万部弱(5.5%)のマイナス。これが影響し、電子版が3割増加したにも関わらず合計の購読数は前年1月に比べ7万8千、およそ2.5%のマイナスとなっている。
朝日や読売も10万部超の部数を減らしているが、部数に対する比率から考えれば日経の方が減少率は大きい。さらに今年4月の消費税増税の影響も避けられない。他紙に比べ単価も高く、一般紙と併読されるケースの場合、日経を切られるようなケースも想定される。紙が落ち込んでいくことは織り込んだ上で、電子版のコンテンツ充実と存在感を高め、デジタルシフトを進めていくことになりそうだ。春に予定されている日経BPとのID統合も、紙以外の収益源を求めてのチャレンジと言えるだろう。
逆に増税を奇貨とし、「増税時代の家計を応援!」のようなPR戦略で電子版の長期割引や、機能や対象世代を限定した格安プランなどを打ち出してきたら驚きだが…。