edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

日経電子版が若者向けコンテンツ充実 「ニチペロ」「やわらか経済NEWS」

日本経済新聞電子版が、最近若者を意識したコンテンツを次々にリリースしている。
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まずは10月中旬から開始した「ニチペロ」。“世の中の気になる話題をペロッと総なめ”をキャッチフレーズに、「チンプンカンプンな経済用語」のカッコイイ使い方や、冷蔵庫ではなく、若者がいま入るべき“モノ”は?といった、一風変わった見出しの記事がコミカルタッチなイラストとともにアップされている。
記事には必ず最後に「日経電子版でもうひとペロ!」というセクションがあり、関連する日経電子版本体の記事へのリンクが設けられている。この記事を導入にして、日経電子版本体への導入を図ろうというのが狙いがあることがわかる。
ちなみに、構築にあたっては数多くのウェブサイトの構築やコンテンツ企画の実績があるインフォバーンが協力しているようだ。
[参考]⇒インフォバーン、日本経済新聞社の若者向けWebメディア「ニチペロ」の立ち上げをサポート | インフォバーン

また、7月からは「やわらか経済NEWS」という連載が日経電子版本体で始まっている
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こちらも「マグロ漁船に学ぶ イライラしない職場の作り方」や、「松阪牛が半額に スーパーの値引き時間徹底調査」といった、通常のビジネス記事とは少し違った視点の記事がピックアップされている。

日経電子版といえば会員限定の記事が多いが、「ニチペロ」からリンクされる記事や「やさしい経済NEWS」で取り上げられている記事は、ほぼ登録なしで全文が読めるようになっている。日頃はあまり日経に興味がないが、たまたま訪れてくれたユーザーをガッカリさせないようにする配慮は行き届いているようだ。

日経電子版は有料会員が30万人を超え順調と言っていい推移を続けているが、逆に月額4,000円という有料イメージが根付いてしまい、若年層に敬遠されてしまうことへの対策だろうか。これまでのイメージを変え、ネットユーザーに受け入れられるようなテーマ、文体のコンテンツを試行しているように感じる。

次にありえるのは各種ポータルサイトやニュースアプリへのニュース配信だろうか。日経電子版は前身のNIKKEI NETの時代から自社サイト以外に記事を配信しないポリシーを一貫して持っているが、このような「若者向け」という意図を持って作られたコンテンツであれば、むしろできるだけ多くのユーザーにリーチさせ、そこからのリンクで本体の電子版に誘導した方が効果は高いだろう。以前にはLINEでマスコットキャラ「デンシバ」のスタンプを配信したり、NAVERまとめへの記事利用を許可するなど、若年層対策にも抜かりない日経。「ニュースが無料」である若年層にとっての常識を打ち破るための試みが始まっている。