edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

地方紙など20サイトがiPhone対応 共同通信のNEWSmartアプリで

 共同通信社は1日から、多数の地方紙や業界紙などのサイトが参加している携帯電話向けニュースサービス「NEWSmart(ニュースマート)」を、米アップルの多機能携帯電話iPhone(アイフォーン)向けにも開始した。
 対応ソフトウエア(アプリ)は、アップルのサイトを通じて無料で提供する。アプリでは参加する全サイトの記事の見出しと、本文の先頭部分が読める。地域密着の話題から業界の専門情報までそろい、より詳しい記事を読みたい利用者には、その記事の掲載されているサイトを月単位で購入してもらう仕組み。
 読んだニュースと関係の深い記事を、全参加サイトから探し出して紹介する「レコメンド(お勧め)機能」や、あらかじめ指定したキーワードから利用者の関心のありそうな記事をまとめて表示する「マイニュース」の機能なども、従来の携帯電話向けサービスと同様に提供する。
iPhone向けもサービス開始 携帯ニュースマート - 47NEWS(よんななニュース)

 共同通信が昨年6月に始めたNEWSMART(ニュースマート)が3月1日にiPhoneアプリに対応した。地方紙や業界紙などが有料携帯ニュースサイトを運営できるプラットフォームで、これまで従来のドコモ・au・ソフトバンクの3キャリアの公式サイトによる課金ができるようになっていたが、ようやくスマートフォンの代表格であるiPhoneのユーザーにも課金できるようになった。
 アプリ自体はAppstoreから無料でダウンロードでき、その中で自分の読みたい新聞社のコンテンツを登録する形式。基本的にこれまで3キャリアの有料携帯サイトに参加した社の中から、準備のできた地方紙・業界紙など20紙から選択できるようだ。公式の紹介ページはこちら。
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 値段は各新聞社によって異なり、河北新報佐賀新聞などが月350円、高地新聞や山梨日日新聞が月450円となっている。業界紙は一般紙に比べ高く、月1000円程度が普通で、中には3000円(エヌピー通信:税理士向けの業界紙)のものもある。
 自社のサイトがiPhone対応したことを知らせるニュースをウェブに掲載している地方紙もいくつかあった。
佐賀新聞N&S iPhone版がスタート【佐賀新聞】 
iPhone版、きょうから配信 北國新聞ニュースサイト、最新記事を提供【北國新聞】
 アプリ開発やシステム構築に人員やコストを割けない地方紙や業界紙にとって、共同通信社がこのようなプラットフォームを用意してくれるのは福音か。以前NEWSMartを取材したITmediaの記事によると、参加社は共同通信に一定のシステム利用料を払う必要はあるが「媒体ごとの月額料金は原則すべて媒体社に入る」とのことである(AppStoreを利用する以上アップルに3割は取られてしまうが)。システム保守やネットワークのことも考えなくてよいので、地方紙にとってニュースサイトを手軽で低コスト、そして確実にスマートフォン対応するにはもってこいのスキームである。
 ただ、プラットフォーム名に「ニュースのショッピングモール」の名前が付いている通り、その中の一店舗としての参加となる。プラットフォームに依存するため、どうしてもカスタマイズは限られたものになる。また、独自のプロモーションを打ったりやアイデアを生かしていくことは難しくなるし、スマートフォンアプリに対応する技術の蓄積もほとんどできない。そこで割り切ってしまっていいかどうかが分かれ目といえる。あるいは共同通信に任せられる部分は任せ、独自の戦略に力を注いでいくという方針の社もあるのかもしれない。