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読売プレミアムが紙面画像を拡充 大阪・九州・北海道の紙面も収録 

 読売新聞社は、スマートフォンタブレット端末などで新聞紙面の画像が閲覧できる購読者向け有料デジタルサービス「読売プレミアム」を4月1日から拡充する。現在の東京本社版の紙面イメージに加え、大阪、西部の各本社と北海道支社が発行する朝刊最終版の紙面が新たに閲覧できるようになる。
 紙面イメージは、読売新聞の購読者が読売プレミアム(月額税込み162円)に加入すれば利用できる。掲載期間は発行から1週間で、これまでは東京本社が発行する紙面に限定していたが、大阪周辺の話題や九州地方のニュースなどが、新聞紙面そのままのイメージで他地域にいながら閲覧できるようになる。各本支社の号外も掲載し、号外発行時は通常の紙面に優先して表示する。
 また、「スポーツ報知」のおすすめ紙面も掲載。同紙の編集部が選んだその日のおすすめ紙面を日替わりで最大2ページ分読むことができる。
(2015年3月23日付文化通信より)

 読売新聞の読者向け有料デジタルサービス「読売プレミアム」が4月1日より機能を拡充した。これまでの東京本社朝刊最終版に加え、近畿・中国・四国などを配達エリアとする大阪本社版と、九州各県と山口県を配達エリアとする西部本社版、北海道支社が発行する朝刊最終版も閲覧することができるようになった。利用料は月額162円で、クレジットカード決済のほか、NTTドコモおよびauの携帯料金と合わせて支払う方法、読売新聞販売店で新聞購読料と合わせて払う方法から選ぶことができる。

 また、スポーツ報知の紙面イメージも一部読むことができる。4月2日は前日巨人が負けたためか、選抜高校野球大会敦賀気比の優勝を伝える1面が提供されていた。

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 朝日、毎日、読売の各紙はそれぞれ東京・大阪・福岡・北海道・名古屋に発行拠点を持ち、それぞれ独自の紙面を日々制作しており、それぞれ身近な話題を大きく扱ったり、見出しもその地域に合わせた表現を用いるなど独自の編集方針を持っている。もちろん全国共通の大ニュースであれば同じ記事や見出しで扱われるが、基本的には発行拠点が異なれば違う新聞と言っても良い。

 読売プレミアムはちょうど1年前の2014年4月1日に朝刊紙面画像をパソコンやスマートフォンで閲覧できるようにしたが、東京本社版だけが対象だった。今回の拡充で大阪・西部・北海道の各本支社版にも対応したことで、それぞれ地域の読者に同じサービスレベルを提供できるようになった。また、東京の人が旅行や出張先で関西を訪れた際、どういうことが話題になっているか知るのにも有用だろう。*1

 なお、朝日・毎日ともに同じようなサービスを行っている。有料の「朝日新聞デジタル」および、毎日新聞の購読者が無料で会員になれる「愛読者セット」で、それぞれ東京本社発行の朝夕刊だけでなく、名古屋*2、大阪、西部(福岡)、北海道*3の各本支社の朝夕刊紙面も閲覧でき、沖縄を除く46都道府県の地域面を閲覧できる。朝日新聞には朝日新聞デジタルとは別に、朝夕刊のセット読者であれば無料で利用できる「特典電子版」という制度まである。

 ただ、2社が読売と異なるのは、主戦場であるスマートフォンタブレットにおいて読売プレミアムがウェブブラウザを利用するのに対し、朝日と毎日はそれぞれ独自のアプリを用意して提供していることだ((パソコンでは3社ともウェブブラウザを利用)。読売プレミアムの紙面ビューアーもブラウザとしてはかなり頑張っているが、やはり動作のスムーズさ、使いやすさという点ではアプリに軍配が上がる。読売もいずれは紙面ビューアーをアプリで提供するようになるのではないか。

 産経、日経を含めた全国紙5社の紙面画像のデジタル配信がそろって1年。新聞を購読していれば無料もしくは低価格で、各本支社版を含めた紙面画像をデジタル的に提供するという流れはかなり広まっているようだ。読者に対し「紙かデジタルか」の二者択一を迫るのではなく、「紙でもデジタルでもお好きな方を」という意識が定着してきた証拠だ。紙ならではの良さは列挙することは今なお可能だが、音楽を届けるための媒体がレコードからCDへ、そしてダウンロード配信から定額制配信へと移っているように、時代の流れとは結局そういうものなのだろう。

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*1:余談だが、中部支社版(名古屋)が収録されていないのは、中部支社管内が夕刊がない統合版(朝刊のみ)地域であり、中部支社版を収録してしまうと、朝夕刊セット地域のプレミアムに加入した朝刊単独の読者に夕刊記事まで見せてしまう可能性を考慮した、極めて社内的な事情だろう。

*2:毎日は中部本社版

*3:毎日のみ