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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

中日新聞の中部9県立候補者の政策比較ツール「投票ナビゲーション」

 いよいよ衆議院選挙の投票日も間近であるが、中部・北陸のブロック紙である中日新聞が、中部9県(愛知、三重、岐阜、滋賀、長野、福井、静岡、石川、富山)の小選挙区から出馬する候補全217人を対象に、主要政策について意見を聞いたアンケートの結果「票ナビ 中日投票ナビゲーション」をウェブ上で公開している。
 「将来、原発をどうすべきか」「今後の日本の税金と福祉の関係で近い考えは」など、10個の質問を立候補者に投げかけ、それらについての回答とその理由を簡潔にまとめている。回答は選挙区単位の立候補者別に見られるだけでなく、同じ選挙区の立候補者同士の回答を比べられたり、質問と回答から立候補者を探すこともできる。また、中部9県全体で各選択肢を何人の立候補者が選んだかをまとめた統計もある。
 パソコン版だけでなく、スマートフォンおよび従来型携帯電話でも見ることができるようになっている。携帯にも対応したことで、家で見るだけでなく、投票所に向かう途中でも利用することは可能であり、これを有権者の投票判断のツールとして使ってもらおうという意図が感じられる。
[PC版]⇒総選挙2012 | 立候補者アンケート
スマートフォン版]⇒総選挙2012 | 立候補者アンケート
[携帯版]⇒総選挙2012 | 立候補者アンケート20121214014622 20121214014623
 毎日新聞のボートマッチ朝日新聞の東大との共同調査と比較した時、ウェブならではのインタラクティブ性があるわけではなく、ソーシャルメディアとの連動性も皆無だが、シンプルに候補者に一人ひとりにスポットを当て、その回答をわかりやすくまとめている。アンケートを立候補者に聞くのは同じだが、毎日や朝日が「政党」の政策や指針に比重を置いて調査結果をまとめているのに対し、中日はあくまで「立候補者個人」に比重を置いたような感じだ。
 中選挙区制から小選挙区制に移行したことで、候補者個人の資質や信条よりも政党の方針や政策が重視されるようになっていることは間違いない。しかし、小選挙区の投票において有権者が投票所で記入するのはあくまで個人名であり、候補者がどのような意見や信条を持っているかという情報の重要さは変わらない。それに応えるためのツールといえるだろう。