edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

東京新聞が福島に特別支局開設 福島民報が協力、継続取材拠点として

 東京新聞中日新聞東京本社)は12月1日、福島市に「福島特別支局」を開設した。福島民報社の協力で福島市太田町の福島民報ビル4階の一室を借り、東日本大震災福島第一原発事故の継続取材拠点とする。
 東京新聞は、一連の原発報道で菊池寛賞を受賞するなど高い評価を得てきたが、今後も震災と原発の被害に苦しむ福島の定点観測が必要と判断した。
 (2012年12月3日付文化通信より)

 昨年3月以降、東京電力福島第一原発の事故原因を中心に検証報道などを続けてきた東京新聞が、12月1日より福島県に「福島特別支局」を開設した。文化通信の元記事によると、駐在するのは編集局次長から異動した原発事故問題を担当する編集委員1名だが、定点観測の拠点とし、社会、特報、科学、写真の各部記者の取材基地として活用するとのこと。部屋を貸し出す福島民報側も歓迎しており、「県外に福島の情報を発信してもらえるなら、必要な記事や写真も喜んで東京新聞に提供する」とコメントしている。
 全国紙が福島に取材拠点を持つ中、原発報道を看板にする東京新聞としても、継続的に取材活動を続けていくためには拠点が必要だと判断したということなのだろう。マスメディアやインターネット上に流れる情報はどうしても首都圏発信のものになりがちであり、それが世論として受け入れられてしまう傾向は否めない。首都圏に地盤を持つ報道機関が地域目線で情報を継続的に発信していく意義は大きい。
 せっかくの福島民報の協力も得て設立された「特別支局」なのだから、自社の報道のためだけではなく、他の地方紙や同じ原発問題に関して取材活動を続けるフリージャーナリストたちと交流できるような機能があってもいいのではないかと思った。それぞれに立場や手法の違いはあるかもしれないが、目指すところは共通しているはずだから。