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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

毎日・スポニチの新電子媒体「TAP-i」 写真中心、毎日読者は月500円

 毎日新聞社スポーツニッポン新聞社は、iPadiPhoneAndroid端末向けの有料デジタル媒体「TAP-i(タップ・アイ)」を5月25日に創刊する。購読するにはApp StoreおよびGoogle Playから専用アプリをダウンロードする。料金は月額900円、毎日新聞読者は月額500円。8月末までは無料で利用できる。今後はスポニチ読者にも月額500円で提供する。
 毎日新聞スポーツニッポンの記事に加え、新聞紙面では掲載しきれない多数の写真や動画ニュースなどの独自コンテンツを毎朝配信する。また、CGキャラクター「アイ」が月曜から土曜まで登場し、主要なニュースや話題をバーチャルスタジオから映像を交えて紹介する。主な記事やコラムは音声合成システムで読み上げることもできる。
非電子新聞で新たな読者を、毎日とスポニチがスマホ/タブレット向け新媒体 -INTERNET Watch Watch

 毎日新聞社スポーツニッポン新聞社が5月25日に新たなデジタル媒体「TAP-i(タップアイ)」を創刊した。スマートフォンおよびタブレット端末のみを対象とし、iPhoneiPadなどのiOSと、Androidのアプリをダウンロードして利用する。パソコンや従来型携帯電話では見られない。
 料金は毎日新聞を定期購読している読者に対しては月額500円。スポニチの定期購読者に対しても今後対応する見込み。毎日読者ではない場合はApp StoreまたはGoogle Playを通した課金となる。定期購読は現時点ではApp Storeのみ対応しており月額900円。1日分はApp Storeが85円、Google Playが99円となっている。なお、8月末までは無料で利用できる。
[公式サイト」⇒http://www.mainichi.co.jp/tap-i/
 24日に行われた記者会見はニコニコ生放送で中継された。質疑応答では販売と広告の比率について「しばらくは課金が7〜8割を占める」や「500円の併読コースの場合、販売店に支払う手数料は半分程度」「縦書きにした理由は他の電子媒体との差や特徴を出すため」「開発中に"電子新聞"という言葉は封印した」「今年度末までの目標読者は3万人」「この媒体に関わるスタッフは二十数人、その他にオペレーターが十数人」といったやり取りが行われていた。
 メインとなるのは紙面に載せきれなかった写真や動画を中心にしたコンテンツ。なんと1日分の容量が200MB程度あるらしく、自宅の光ファイバーからの無線LAN経由でダウンロードするのに5分以上かかった。定期購読の申し込みをすればAppleの自動定期購読システムであるNewsStandを使い、自動ダウンロードを利用すればいいのかもしれないが、1日分をダウンロードするにはちょっとイライラする。


(画面スクリーンショットiPhone版のもの)
 無料期間中ということで、会員登録不要でダウンロードできるので閲覧してみた。確かに写真中心で、写真と動画と文章を組み合わせたコンテンツ(「海に生きる」など)も用意されている。縦表示と横表示できちんと写真を切り替えていたり、記事に音声合成ソフトを使った読み上げ機能があるのは面白い。また、記者会見のニコニコ生放送でややウケていたCGキャラクターのアイちゃんがニュースを読む動画コンテンツには、その日に合わせたネタの前説コメントも付けている。いろいろ工夫しており、人手がかかってそうなサービスだなあという感想を持った。
 毎日新聞社が発行する写真中心のデジタル媒体といえば、iPad向け週刊紙の「Photo J」がある。こちらは週1回発行で月額170円。デジタルコンテンツの国際的な賞も受賞するなどデザインクオリティには定評がある。週刊と日刊の編集にかけられる時間の違いや画面の小さいスマートフォンにも対応させなければならない制約はあるだろうが、このあたりのノウハウはTAP-iにも生かされているのだろう。

 細かいことだが課金方法について、毎日新聞の独自会員サービスである「毎日ID」とApple IDの両方用意しているのは驚いた。定期購読者に割引するためにはどうしても必要となるこの手法。読売の新しい読者向けデジタルサービス「読売プレミアム」のようにウェブブラウザベースであれば問題ないが、アプリにも関わらずApp Storeを通さない課金方法を通すことができたのは、さぞかし苦労があったように思う。