edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

朝日新聞デジタルに無料会員制度 有料記事を1日3本閲覧可

 朝日新聞社(本社:東京都中央区代表取締役社長:秋山耿太郎)の電子版「朝日新聞デジタル」は本日、創刊1周年を迎えました。創刊 1 周年記念キャンペーンとして 21 日より朝日新聞デジタルの有料記事を無料で読める「無料会員」サービスを開始します。また、トヨタ自動車ハイブリッド車プリウスα」など豪華賞品が当たる「創刊1周年記念キャンペーン」も同日より始めます。
 無料会員サービスでは、これまで有料会員だけが読めた記事を 1 日 3 本まで無料でお読みいただけるほか、新聞に載った記事の 1 年分の見出しを検索することもできます。パソコンとアンドロイド OS 搭載端末でご利用いただけます。iPad、iPhone は後日対応予定です。今月 29 日から 3 日間は、無料会員も全ての記事が見られる読み放題キャンペーンを実施します。無料会員の登録は、パソコン、スマートフォンともに朝日新聞デジタルのトップページ(http://www.asahi.com/)の「朝日新聞デジタル登録申し込み」から行っていただけます。
[リリース]⇒朝日新聞デジタル、創刊1周年(PDF)


 朝日新聞デジタルが5月18日で創刊1周年を迎えたのを記念しキャンペーンを開始した。新規申込者および登録者を対象にトヨタハイブリッド自動車やロボット掃除機ルンバなど豪華プレゼントが当たる企画や、有料会員向けサービスの拡大などがあるが、注目はなんといっても無料会員制度を導入したことといえる。
 これまで電子版単独の月額3800円のデジタルコースもしくは、紙を定期購読していれば月1000円で購読できるダブルコースしかなかったところに、紙の購読とも関係なく無料で会員になれる制度を導入した。登録には住所や氏名といった個人情報を入力する必要はあるが、クレジットカード番号までの登録までは求められない。創刊時の2カ月無料時に、無料期間にもかかわらずカート番号の入力を求めていたことが登録のハードルになっていように感じたので、若干敷居は下げたようだ。
 1日に閲覧できる有料記事は3本と少なめ。過去1年間の記事検索は見出しまで、地域版紙面イメージやスクラップ機能は利用不可など有料版と比べれば差は大きい(比較表はこちら)。これまでカード番号を入力しなければ「お試し」すらできなかったことを考えれば大きな進歩だが、3本しか読めないのでは殆どの人には物足りないだろう。アサヒ・コム朝日新聞デジタルに統合したといっても、無料で読める記事がそんなに減った印象はなく、有料記事1日3本にどれくらいの訴求力があるかどうかは不明だ。
 最近有料会員数の話をあまり聞かない朝日新聞デジタルだが、創刊1周年を機に攻勢に仕掛けてきたような感じだ。日経電子版が当初から無料会員と有料会員を用意し、有料会員20万、無料会員を合わせて135万を突破したのを参考に、「やはり無料会員モデルも必要だ」と判断したのか、それとも紙の購読者限定で月150円という低価格路線の「読売プレミアム」で攻めてくる読売新聞への対抗措置なのか理由はわからないが、有料一本という路線から大きく方針転換したことは確かだ。
 せっかくならこの際、読者向け会員制サービスアスパラクラブの会員を自動的に朝日新聞デジタルの無料会員にし、両サービスを統合してしまえば、会員数を一気に増やすことができ、「コンテンツ」と「サービス」の両面でメリットをアピールできたと思うのだが…。