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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

AKB48新聞は前田敦子卒業をどう報じたか

 日刊スポーツ新聞社は、大好評をいただいている「月刊AKB48グループ新聞」4月号を20日から、全国で順次発売します。今回も、ここでしか読めない、見られない充実のラインアップです。巻頭では、ソロ発売を控えた板野友美指原莉乃の“ありえない対談”が実現。秘話がぎっしり詰まった前田敦子卒業特集、総選挙に向けた大島優子の所信表明とともに、たっぷりお楽しみください。ほかにも、ぐぐたす部長の座談会、AKB48の全国ツアーや米国公演、SDN48卒業ライブ、SKE48ソロライブなどの完全リポート、山内鈴蘭倉持明日香の連載など、盛りだくさん。AKB48グループのグラビアと記事だけで埋め尽くされた、AKBによる、AKBファンのための必携専門紙をお見逃しなく!
板野&さしこ AKB48グループ新聞4月号 - 芸能ニュース:nikkansports.com

 3月25日、人気アイドルグループAKB48前田敦子が、さいたまスーパーアリーナでの3日間のコンサート最終日にAKB48からの「卒業」を発表した。月1回発行されるAKB48新聞でどのように扱われるのかネタになるなと思い気になったので、第3金曜日にあたる4月20日に発売された4月号を久しぶりにコンビニで購入してみた。数店のコンビニで見たところ、創刊時に比べ置き部数が少なかったような感じだが、実売部数に合わせて仕入れを減らしたのか、それとも前田敦子卒業の影響なのかは理由はわからない。
 
フロント1・2・3面は板野友美指原莉乃の対談という、ファン以外には意図がよくわからないコーナーだが、裏表紙から3ページを使って前田敦子の卒業が特集されている。また、センター面には卒業を表明したあと手をつないでステージを去る高橋みなみとの印象的なバックショットが見開き写真として大きく扱われていた。
 内容は前田敦子のあいさつ全文、3月25日コンサートのレポート、「卒業の真相」と題したルポ、大島優子をはじめとするメンバーからのメッセージ、「私のことが嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください」に代表される“あっちゃん語録”などが掲載されている。相変わらず文字・写真ともギッシリ詰め込まれ、色数の多く目がチカチカするデザインでファン以外には読みにくいことこの上ないが、充実した内容であることは確かだ。
 ただ、公式に発表された以上の情報はほとんどなく、ファン以外の人も多少興味を持ちそうな「いつ卒業するのか」「卒業後は具体的に何をしていくのか」「卒業後のエースは誰が務めるのか」といった具体的な事実はわからない。また、「卒業の真相」についても基本的に本人や事務所関係者など当事者のやり取りを紹介しているだけで、第三者の視点は皆無。「真相」というには物足りない内容だ。
 「しょせん事務所と一体となって作っているファン向け媒体なんだからいいじゃないか」という見方は至極もっともであり、広報誌だと思えば別に目くじらを立てる所はない。とはいえ、仮にも日本を代表するスポーツ新聞社が発行し、「新聞」と名前が付いている以上、もう少し突っ込んで書いて欲しいと思ってしまった。
 例えば日刊スポーツはプロゴルファー石川遼選手の父・勝美氏との間で昨今険悪な関係にあり、取材拒否という状況下で、4月8日の1面で「婚約&今オフ結婚」をスクープし本人も認めた(参考:週刊文春4月19日号「『石川遼結婚』をスクープした日刊スポーツの意地」)。AKB新聞でもそのような“意地”の片鱗を少しでも見せてくれる場面があればいいのだが…。