edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

ドラマ「河北新報のいちばん長い日」、3月4日テレ東系で放映

それでも新聞をつくり続けた――。
東日本大震災、自らも被災者でありながら新聞発行を続けた河北新報社
被災者に寄り添い続けた地元紙の、震災当日からの全記録をドラマ化!
また、池上彰がナビゲーターとしてドラマの前後に登場、その背景を説明します。
テレビ東京報道局とドラマ制作室が共同でドラマ制作するのは今回が初めてです。
明日をあきらめない…がれきの中の新聞社〜河北新報のいちばん長い日〜:番組情報:テレビ東京

 昨年10月に出版された「河北新報のいちばん長い日」が、テレビ東京系列でドラマ化される。放映日は地上波が3月4日(日)の午後7時54分〜9時48分。BSではBSジャパンで2012年3月11日(日) の午後9時00分〜10時55分。
 主演は渡部篤郎で、地元に寄り添った紙面作りを目指し、自らも被災者である記者たちに「見たまま、思ったままを書け」と伝える武田報道部長を演じる。ほか、記者として小池栄子、田中要次長谷川朝晴、戸次重幸、鶴見辰吾、西岡徳馬が登場。新聞販売所・所長の妻は斉藤由貴が演じるとのこと。また、池上彰がナビゲーターとしてドラマの前後に登場し、背景を説明する。
[参考]⇒渡部篤郎主演でドラマ化!地元新聞社が伝え続けた東日本大震災の物語 - Ameba News [アメーバニュース]
 「神戸新聞の100日」がドラマ化されたのは震災発生から15年後のことであり、それと比べると早いのではという声もありそうだが、現在進行形で行われている復旧・復興につなげていくという目的であれば意義は少なくないだろう。

河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙

河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙


 本書を読んだときに感想として書いたが、現場での取材活動や新聞発行のためのあらゆる努力については心に響いた一方、インターネットについてはどちらかというネガティブな捉え方をしていたことが気になった。被災地の内と外を繋ぐ大きな役割を果たしただけに、せっかくの貴重な記録なのだからそこについてもきちんと評価すべきではなかったかという思いがある。テレビドラマとして全国に向けて発信されるのだから、「記者も、販売店も、その他の人々も、新聞制作のためにがんばった、地元のためにふんばった」というメッセージだけに留まってほしくはない。
 テレビドラマや映画で取り上げられた地方新聞社といえば「クライマーズ・ハイ」や「神戸新聞の7日間〜被災地に生きた記者達の闘い〜」などが代表。今回の「河北新報のいちばん長い日」も、それらと並び後世に受け継がれるバリューは持っていると思う。1985年の日航機墜落、1995年の阪神大震災と同じように描くのではなく、2011年の新聞社としての描き方をしてほしいと思う。