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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

中日新聞、「こどもウイークリー」8月創刊 57年ぶりの新媒体で読売追撃

 中日新聞社は、週刊の子ども向け新聞「中日こどもウイークリー」を8月6日に創刊する。定価は定価は月ぎめ450円(税込み)、1部売り120円(税込み)。発行エリアは、愛知・岐阜・三重・滋賀・長野・福井・静岡・石川・富山の中部9県。中日新聞名古屋本社では、昭和29年2月の「中日スポーツ」創刊以来、57年半ぶりの新媒体発行となる。
 新学習指導要領により、4月から小学校の授業で新聞が教材として使われるようになり、各社とも子ども向けの新聞に力を入れているが、中日新聞社も(1)子どもたちが新聞に接し、親しんでもらうとともに、新聞購読の習慣化につなげる(2)子どものいる無読世帯における中日新聞購読のきっかけ創出(3)新媒体発行による販売店の売り上げ増加−を目的に「中日子どもウイークリー」を創刊することになった。
 タブロイド判12ページ、オールカラーで、毎週土曜日発行。読者の主な対象は小学4〜6年生だが、総ルビで、1年生からでも楽しめる。紙面構成は1〜3面ニュース特集、4〜5面歴史漫画、6〜7面見開き大図解、8面すご技ナビ、9面パパママのコーナー、10〜11面学習面(10面算数または理科、11面英語)、12面こどもトレンド(以下略)
 (2011年6月8日付新聞之新聞より)

 読売KODOMO新聞の創刊朝日小学生新聞の部数大幅増など、暗い業界の中でも明るい話題が多い子ども向け新聞だが、中部地方のブロック紙・中日新聞社も8月6日から「中日こどもウイークリー」として参入することになった。毎週1回土曜日の週刊新聞で、タブロイド判12ページフルカラー、月450円。先行する読売KODOMO新聞より1割安い。名古屋本社が発行するものとしては、昭和29年以来57年ぶりの有料媒体とのこと。
中日新聞:中日こどもウイークリー:(CHUNICHI Web)
 具体的な内容としては以下のようなものが挙がっている。

  • 1面に写真を大きく使う「見て見て!この写真」
  • 中部地方の自然や行事、建築で大図解で紹介する「中部まんなか図鑑」
  • 未来と現代の子どもが歴史上の事件の秘密を追うマンガ
  • 子育ての悩みに専門家が週替わりでアドバイス
  • 河合塾のベテラン講師が英語や算数を教えるコーナー
  • 最終面にはファッションやグッズなどのトレンド情報 

「大図解」といえば、中日新聞東京新聞の日曜版に掲載される「サンデー版大図解」の名が思い浮かぶ。中日グループだけでなく他の地方紙にも提供されている人気コンテンツであり、教育現場でも活用され評価が高い。これまで培ってきたノウハウが新媒体の子ども新聞でも生きてきそうだ。
 なお、サイエンスプロデューサーの米村でんじろう氏をイメージキャラクターとしたテレビCMを7月から放映予定。
 毎週土曜日の週刊新聞、タブロイド判12ページ、月450円という商品形態や、具体的な内容など、どう見ても今年3月に先行した「読売KODOMO新聞(毎週木曜発行、タブロイド判16ページ、月500円)」とイメージが重なる。当初関東のみの販売だった読売はスピーディーにエリアを拡大し、5月から中部地方を含む全国で展開しており、熱心に勧誘を行っている。中部エリアを地盤とする中日としても対抗する商品の必要性に迫られたという事情があったのだろう。
 気になるのは、少し前から毎日小学生新聞の扱いを始めた販売店との関係か(【参考】毎日小学生新聞は「中日の店が売ってくれるお陰で中部で好調」)。日刊と週刊という違いはあるが、中日が同じカテゴリの商品を発売することで、これまで毎日に流れた分を取り戻す動きがあるのかもしれない。