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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

神戸新聞、「いまいち萌えない娘」ウェブ漫画をPDFで無料公開

 今年1月に神戸新聞社メディア局がアニメやゲームなどの取材を行うアルバイトの募集時にチラシで使用したイラスト「いまいち萌えない娘」。求人チラシに描かれた女の子のなんともいえない「萌えなさ」が大きな反響を呼び、ITmediaニコニコ動画、pixvといったメジャーサイトでも大きく扱われた。(【参考】神戸新聞、アニメや萌え系ニュースのウェブ編集者を募集
 その後はスタッフの自腹で缶バッジを作ったり(ITmedia「衝撃的に萌えない」とコメント)、イラスト付きのTシャツ、マグカップ、ストラップを通信販売するなどの展開をみせていた。
 4月8日に初のウェブ漫画「いまいち萌えない娘 -エピソード0- 」がPDFで無料で公開された。もともとは3月のアニメイベントで頒布する予定だったが、東日本大震災の影響でイベントが延期になったため、ネットで通信販売したところほぼ完売に。「ぜひ広く作品をご覧いただきたい」とのことでPDF公開を決定したとのこと。
 内容はこの企画がどのようにして生まれたかという社内やりとりの経緯から始まる。「脚色7割、真実3割」とのことだが、神戸新聞社内のスタッフのやりとりなどが4コマ漫画で展開されている。下の画像およびリンクをクリックすることで、PDFダウンロードページにアクセス可能。
いまいち萌えない娘(公式サイト) | ページリニューアルのお知らせ20110409112133 20110409112132
 特に面白かったのは、件の求人チラシを見て応募してきた採用者を選ぶ箇所。採用条件として「オタ知識豊富で、ネットに顔出しOKな方歓迎」「コスプレイヤー、声優志望者歓迎」「アナウンス、DJ、声優などのパフォーマンスができる方歓迎」と、求められる資質はかなり偏ったものなっていたが、それが逆にネット文脈に完全にマッチしたようで、「某大学非常勤講師」「元商社部長」「元鉄道職員」「元テレビ局スタッフ」など、多種多様な人材が応募してきた様子が漫画から伺える。“脚色7割”とはいえ、採用者を決めるのは本当に苦労したんだろうなという思いが伝わってくる。
 発端が兵庫県の緊急雇用創出事業の一環とのことで行政の補助も受けているとはいえ、新聞社としてこういった形で人材を募集するのは非常に珍しい。ウェブでウケるものを考えるのは、中高年では一見理解できないような感性を持つ若者たちでなければダメなのだろう。