edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

まだ読んでいない人のための読売子ども新聞レビュー

 3月3日に創刊された読売KODOMO新聞。当初の販売エリアは関東1都6県(4月から5月にかけて販売エリア拡大)なので、まだ見ていない人も多いはず。そこで創刊号の読売KODOMO新聞をざっと紹介。
読売KODOMO新聞 | 読売新聞ご購読案内20110307134900
 タブロイド判16ページでフルカラー。月500円および1部150円の記載がある。月4回発行が基本とすれば妥当な値段設定。
 1面は「授業が変わるよ 教わることも増える!」という見出しで、4月から始まる新学習指導要領で、授業時間が増え、今までよりも学ぶ量が増えることが説明されている。
 2ページ目から5ページ目まででニュースや話題を扱っている。小学生プロゴルファー・新垣比菜さんを取り上げるなど、対象読者にとって近い世代を人ものとして紹介している。ただ、朝日小学生新聞や毎日小学生新聞と比べ、取り上げるニュースの量は少ない。

 

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 次のページは「おしえて!コナン」で、マンガ「名探偵コナン」の登場人物が、先週に起きた出来事の時事用語を解説している。ポケモンだけでなく名探偵コナンまで動員するとは、さすが小学館とガッチリ組んでいるだけある。
 また、面白いのが次の「おしゃれ FASHION」ページ。「着まわしレッスン 大好きデニム」という見出しで、女の子のモデルを起用してデニムジーンズの着こなしを教えるコーナーとなっている。

 

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 続くページは「新幹線の新たな挑戦」という見開き面。写真と図解を多用しており、東京新聞中日新聞)の日曜版に掲載される大図解シリーズとよく似たコンセプトのように感じた。

 

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 最後に「教育に役立つ新聞」の言葉通り、進学塾の四谷大塚との協力による「漢字の成り立ち」の解説ページと、東京外語大の講師による英会話の学習ページ。紙面に問題を掲載し解答は四谷大塚のホームページに掲載という形のタイアップや、読売新聞の読者会員サイト「ヨリモ」で、実際の英会話の発音が聞けるサービスもある。

 


 他にも、子供向け新聞に欠かせないマンガも用意されており、男の子向けと女の子向けが交互に掲載される。今回は「いろはにほへと新聞部」という女の子向けのマンガ。転校生の奥山いろはちゃんが、学校の新聞部に入ってクラスメイトの多聞新(たもん・あらた)くんと事件を解決する、というストーリー。
 感想としては、先行の朝日小学生新聞や毎日小学生新聞をじっくり研究した上で、子どもに読まれるために必要な要素を十分に盛り込んだというというところ。教育に役立つという面だけでなく、子供向けのファッションコーナーを設けたり、おしゃれな文房具を特集したりするなどの試みはこれまでの新聞社の発想ではなかなか生まれてこないものであり、「小学一年生」などの雑誌で培われた小学館のノウハウが存分に生かされているように感じた。
 ターゲットとしては小学校3年〜6年くらいだろうか。中学生になると内容的に厳しいため、そのあたりは読売本紙の方でフォローをしていく必要がありそう。また、ニュースや時事問題の解説記事の量が朝日や毎日と比べ少なく、エンタメ要素を充実させているため、「雑誌」のような印象を感じる人もいるかもしれない。イラストや写真を多用しているが、人によっては「子どもにおもねりすぎ」という感想を持つ人もいそう。
 週1回・月500円という価格は「ちょっと試してみる」には手ごろな金額。販売店が小学生のお子さんを持つ家庭を訪問する時にはかなりの武器になるのではないだろうか。