edgefirstのブログ

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静岡新聞、4月から土曜夕刊を廃止 小中学生向け日曜版発行

 静岡新聞社(松井純社長)は1日付朝刊に社告を掲載し、4月から土曜日の夕刊を廃止することを明らかにした。同紙は静岡県内で約69万部を発行し、100%が朝夕刊両方を購読している。購読料は変えず、読者サービスとして、4月から小中学生向けの日曜版を発行する。
 大石剛編集局長は「読者調査からも土曜夕刊が読まれていないことが分かった。また、当日のニュースが少なくなったことも一因」と話している。
 新しい日曜版はタブロイド判の12ページ。英語面なども設け、大人も子どもも一緒に読める紙面構成にしたいとしている。
4月から土曜夕刊廃止 日曜には小中学生向け紙面 静岡新聞 - MSN産経ニュース

 静岡県の県紙で、県紙の中ではナンバーワンの部数を持つ静岡新聞が4月から土曜日の夕刊を廃止する。週休2日制の定着に伴うライフスタイルの変化が主な理由で、土曜日に外出する人が増えたことに加え、伝えるべきニュースが減少したことも廃止の理由という。発表では述べられていないが、もちろん土曜日に新聞を制作・配達するためのコストの問題も大きいだろう。
 静岡新聞は全国でも珍しい朝夕刊完全セット販売。他に完全セットの新聞社は東奥日報大分合同新聞しかない。もともと夕刊のない県紙も多く、ここ数年で夕刊をやめた地方紙も多い中、完全セットの新聞が土曜だけとはいえ夕刊を廃止したことのインパクトは大きい。
【関連エントリ】静岡新聞販売局長「土曜夕刊廃止は経費削減が理由ではない」 - edgefirstのメモ
 ただ、土曜夕刊を廃止する代わりに日曜版で小中学生のための紙面の創設を打ち出しているところは大きなポイント。今の体制を維持した上で、さらに新しい領域に手を広げるではなく、引くところは引いた上で、その浮いた力を読者の求めるものに振り向ける姿勢を明確にしているところは好感が持てる。
 かつてのようにそう簡単に値上げができない中、どうやって新規領域に進出するためのコストを捻出するか。そこに今後の各社の取り組みの差が出てくるのだろう。