edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

毎日も自社サイトで有料コンテンツ販売 朝日の課金システム利用

 株式会社毎日新聞社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:朝比奈豊)は12月21日から、総合情報サイト「毎日jp」上で電子書籍コンテンツ「WEB新書」の販売を開始しました。「WEB新書」は、「10分で『今』がわかる」をコンセプトに、毎日新聞紙面や「サンデー毎日」「週刊エコノミスト」から、選び抜いた注目記事を5千字前後に読みやすくまとめた「記事売り切り」型の電子書籍コンテンツです。WEBブラウザを搭載した端末はもちろん、 iPhoneiPad、アンドロイド系OSのスマートフォンからの購入・閲覧にも対応しています。
 コンテンツ販売プラットフォームは、今年10月より弊社が参画している朝日新聞社の有料コンテンツの配信サイト「Astand(エースタンド)」の有料課金プラットフォーム「Jpass(ジェーパス)」を使用しております。「Astand(エースタンド)」と同様、毎日新聞社、朝日新聞社のほか、講談社、ダイヤモンド社など計7社、11媒体の記事を購読できます。
 今回、販売サイトを「毎日jp」内にも設けることで、利便性を高め、購入しやすくなります。政治・国際、社会・メディア、医療・健康など9ジャンルの最新情報、基礎知識を手軽に得ることができます。価格は1タイトルあたり210円(税込み)から。毎日新聞社がお届けするWEB新書は、全50タイトル以上(12月21日時点)。今後も毎週タイトルを追加していきます。
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 毎日新聞社は12月21日から自社サイトで有料コンテンツの販売を開始した。毎日新聞紙面や雑誌「サンデー毎日」などの特集・連載記事を5000字程度の分量にまとめたものを200円前後の値段で購入できる。PCのウェブブラウザだけでなく、iPhoneやAndoroidなどのスマートフォンでの閲覧・購入にも対応している。アクセスは以下のリンクから。
WEB新書:価値あるコンテンツをネットでも毎日jp - 毎日新聞のニュース・情報サイト
 リリースによると、12月前半はこんなコンテンツが人気があったらしい。1位はNHKスペシャルドラマの影響としても、2位と3位はちょっと面白い。個人的には2010年12月17日発売の「芸能人、政治家、経済人……心に残る弔辞(サンデー毎日)」が読んでみたいが、きっと買ったら本物の新書に比べて物足りなさを感じてしまうような気がしないでもない。

  1. 「坂の上の雲」から見る平成ニッポン 司馬史観とは何だったか(サンデー毎日)
  2. 更年期セックスの嘘ホント(サンデー毎日)
  3. オンナの性欲 「男が開発」は大いなる勘違い(サンデー毎日)
  4. その一言でブチ壊し! 夫婦と職場の禁句とマナー(毎日新聞社)
  5. 清貧老後設計 月20万円稼ぐ『女おひとり』作戦(サンデー毎日)

 興味深いのは、このシステム全体が朝日新聞社が構築したインターネット上の有料コンテンツ販売システムを利用していること。もともと今年4月にAstandという名称で始まっていたが、課金システムの名称は「Jpass(ジェーパス)」となっている。毎日新聞社はすでに今年10月1日に朝日が運営する「Astand(エースタンド)」上でのコンテンツ販売に参加していたが、コンテンツ提供するだけでなく自社サイトでも販売できるようになった。
 つまり朝日としては、「これはウェブ上で特集記事や電子書籍を有料販売するためのプラットフォームであり、手数料さえいただければどの社にも使っていただいて結構」という方針なのだろう。朝日の用意した“書店”で商品を売るだけでなく、店舗そのものも朝日が用意してくれるということだが、すでに「どう売るか」というのはほとんど問題にならないのだろう。記事を「コンテンツ」として切り売りしていくならば、販路は広ければ広いほうがいいに違いない。ユーザーにとっては最も自分が使いやすいサイトでコンテンツを入手できることが重要だからだ。システムを運営する朝日としても、AppleGoogleといった海外企業にプラットフォームを全て握られてはいけないという必死な思いなのではないだろうか。
 ところで、「価値あるコンテンツをネットでも」というのがWEB新書のキャッチフレーズ。まさか「今のネットには価値ある情報なんてない」と言いたいのではないと思うが、ネットユーザーに誤った印象を与えてしまう危険性もあるような気がする。