edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

豊中・池田の地域密着媒体「マチゴト」 毎日新聞が紙とウェブで展開

「マチゴト」は毎日新聞社が始めた新しい地域密着媒体です。「マチゴト 豊中・池田」は、そのモデルケースとして、2010年7月29日にスタートしました。
 豊中市北部と池田市南部に地域を限定したうえ、インターネット情報と紙媒体を連結させたものです。発行・運営は毎日新聞社で、実務は毎日新聞社の100%子会社、株式会社毎日新聞ローカル(2010年6月2日設立)があたっています。
 紙媒体は地域密着新聞「マチゴト 豊中・池田」で、隔週木曜日にタブロイド版8ページのカラー印刷で、約10万部を地域内に無料でポスティングしています。地域のニュース、話題、身近な情報を掲載します。
 併せて、ウェブサイト「マチゴト 豊中・池田」を開設しています。ツイッター、メールなどを使い、地域の方々と情報のやり取りをしながら、新聞記者の取材ノウハウを生かして、地域の方々にとって有用な情報媒体機能を果たそうというものです。地域新聞に掲載された記事の詳細や、新聞にも載らなかった写真も収録します。また、速報性を活かしたニュースや情報も提供します。
 2つの媒体を駆使して、地域の活性化に資する地域密着媒体を目指しています。
マチゴトとは:マチゴト 豊中・池田  

 @husaosanに教えてもらった地域密着媒体をメモ。毎日新聞社の100%子会社の「毎日新聞ローカル」が7月29日に、大阪の豊中市北部と池田市南部に地域を限定して新しい媒体をスタートした。隔週発行のタブロイドのフリーペーパー+ウェブサイトの組み合わせで、地域の人々と双方向で情報を交換しながら、地域のニュースを収集していることが大きな特徴。地域の人と人とをつなぎ、回覧板のような身近で気軽な情報ツールを目指しているとのこと
 ツイッターやメールなどで集めた情報を元に、新聞記者のノウハウを生かして取材を行っているというのは全国でも珍しい試みのように思われる。ウェブサイトの「リアルタイムニュース」では、Googleマップ上に池田・豊中地域の地図が表示され、地図とニュースがダイレクトに結びついている。個別記事へのリンクが貼れないのはちょっと残念

リアルタイムニュース:マチゴト 豊中・池田20100912213637
 取り上げられているニュースは「クルミの木が池田市鉢塚に」や「緑丘・わんわんパトロール隊 交番と連携 空き巣、ひったくり激減」など、身近な地域の話題が中心。ただ、単なるほのぼの系の話題ものだけでなく以下のような、地域の安心安全に関する話題についても追跡取材を行っているようだ。

この件マチゴトが調査しました。通報を受けた伊丹署の交番職員が向かったものの現場は特定できず明日も調査を行う予定。なお豊中、池田、川西各署に通報はないとのことです RT @dogfeelsolid 猪名川河川敷にて毒入りチーズや肉がまかれていると情報が入りました。地元の方ご注意を!less than a minute ago via web

 全国紙の毎日新聞社が、地域情報専門の子会社を作り地域限定の情報発信に取り組んでいるのは少々意外に感じる。フリーペーパーとウェブサイトの組み合わせは昨今珍しくはないが、割引クーポンに頼らず、地域のニュースを全面的に打ち出しているところも珍しい。目的に「ありがとうのリレー(地域共同体を発展させる要素として、感謝の気持ちを伝え合う媒体となる)」を掲げるなど、高い理想と情熱を感じる。
 この媒体が、ほのぼの系の話題ものや新店舗の開店などの情報にとどまらず、地域の安心や安全に関する情報も積極的に掲載していけるようになれば、地域の人々にとって真に必要な「地域情報サイト」になり得るポテンシャルを秘めているようにも感じる。地域のニュースをツイッターを通して収集している点など、各地の地方紙にとっても参考になる事例ではないだろうか。
(追記:2010/9/25) ウェブサイトで紙面PDFがバックナンバーとともに公開されている。隔週刊で編集制作に時間がある程度かけられるからかもしれないが、なかなかスタイリッシュな紙面。文字を詰め込もうとする従来のローカルペーパーとは一線を画している。個人的には「毎日RT」よりもデザインがイケてるように思う(あちらは週6日なので単純比較はできないが)。