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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

共同通信が合同航空取材 東日本で毎日、西日本で産経と

 毎日新聞社は10月1日から東京本社管内(東北、関東・甲信越、静岡)の航空取材を共同通信社と協力して実施する。航空取材を他の報道機関と合同で行う初のケースとなり、航空取材の質を維持・向上させるとともに、運用経費の効率化も実現する。2日、毎日新聞社と共同通信社が発表した。
 毎日新聞社が東京・羽田空港で運用するヘリコプター(愛称・レインボー)に、両社のカメラマンが交代で乗り込み、航空取材を行う。具体的には、両社が一定期間、取材の責任を持つ「当番社」となり、写真・動画の撮影を担当する。こうした写真・動画は相互に提供し、共同通信社は加盟社に配信する。運行・整備はこれまで通りに毎日新聞社の航空部が行う。
 一方、レインボーとは別にリースする予備機の計2機を有効に活用することで、それぞれの独自取材も継続する。合同での航空取材にかかる費用は、両社で原則折半する。
 (新聞之新聞 9月6日「毎日新聞社 航空取材で共同と協力 合同で行う初のケース)

 産経新聞社は、航空取材の効果を維持しつつ運用経費の効率化を図るため、10月1日から共同通信社との間で両社が運用するヘリコプターを使用して、合同で航空取材することに2日、合意した。
 航空主在日手は、かねてから、ヘリコプターを有効利用して取材を効率化できないか検討を続けてきた。産経新聞社共同通信社のカメラマンらが交互に搭乗して取材し、写真などを交換することによって、報道内容の維持向上と経費削減を図り、しかも取材要員を別の取材に振り向けることが可能となる合同航空取材が最適と判断した。
 産経新聞社では、大阪・八尾空港の東邦航空ヘリコプターを、産経新聞社共同通信社で常駐機契約して両社が交代で使用。撮影した写真や動画、記事を相手に提供する。主な取材範囲は近畿、中国、四国になる。
 (新聞之新聞 9月6日「合同航空取材で合意 産経新聞社も共同と」)

 同じ9月2日に共同通信と毎日、産経が東日本と西日本で航空取材の合同化を発表された。施行時期も10月1日と同じ日。偶然ではないだろう。
 いずれの地域も、2社がそれぞれ一定期間を当番として受け持ち、その間の航空取材を担当して撮影した動画・写真を相互に提供するようだ。産経も毎日も共同通信の加盟社なので、撮影された素材は全国の地方紙にも配信されることになる。
 なお、上の記事を読む限り、社内に航空部という部署を持っているのは毎日だけで、産経と共同は基本的にヘリコプターを委託契約しているようだ。
 対象に写真と並んで普通に「動画」が出てくるあたりに時代の変化を感じさせる。いまや新聞社のカメラマンであっても動画を撮るのはごく自然なことになってきているのだろう。
 こうして新聞社同士の航空取材の共用化が進んでいくと、次はテレビ局の番だろうか。転覆船からの救出シーンなど、数々の人の心を打つ写真・映像が航空取材によって生まれたことを考えると残念なことといえる。かつて阪神大震災の時には「報道機関のヘリの音がうるさくて生存者の確認ができず、救助活動に影響が出る」などと言われたこともあるが、それも過去の話となってしまうのだろうか。