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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

産経、梅田望夫氏の新刊をiPad/iPhoneで販売 購入者限定の質問コーナーも

 産経新聞社産経新聞出版産経デジタルは19日、米アップル社のiPadiPhoneで読む電子書籍iPadがやってきたから、もう一度ウェブの話をしよう」(梅田望夫著)をリリースした。
 同書は、IT企業経営コンサルタントとして活躍する梅田望夫氏(ミューズ・ アソシエイツ社長)と伝説のプログラマー、中島聡氏が、米アップル社のタブレット型コンピューターiPadの登場をきっかけとして交わした往復書簡集。(中略)
 この電子書籍は、購入後も往復書簡の部分が更新され“成長”するのが最大の特徴となっている。梅田氏と中島氏が読者からの質問をiPhoneiPad 上で受け、これに対する答えが随時加わっていく予定だ。固定的な紙の書籍の電子化とは一線を画し、ウェブとつながった電子書籍ならではの作りとなっている。梅田氏が産経新聞に連載する「ウェブ立志篇」の26回分も加筆、再編集して掲載する。
MSN産経ニュース

産経新聞社などは8月19日、「ウェブ進化論」「ウェブ人間論」といった著書で知られるIT企業経営コンサルタント梅田望夫氏の新刊がiPhoneおよびiPadアプリとして販売を開始した。AppStoreでの紹介ページは以下のリンク先。
梅田望夫 iPadがやってきたから、もう一度ウェブの話をしよう<iPhone版> for iPhone, iPad, and iPod touch on the iTunes App Store
梅田望夫 iPadがやってきたから、もう一度ウェブの話をしよう<iPad版> for iPad on the App Store on iTunes
 iPhoneiPadで別のアプリとなり、別々に購入しなければいけないというのが若干納得がいかなかったが、450円とそれなりに手軽な値段なのでAppStoreからiPad版を購入してみた。文章はプログラマーである中島聡氏とのメールによる往復書簡が元になっており、話し言葉で書かれているので比較的読みやすい。新書を読むよりも手軽に読めそう。感覚的にはメールやウェブ上のテキストを縦書きで読んでいるような感じで、わざわざ縦書きにしなくてもよかったのではとも思える。
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 最大の特徴が、電子書籍の発売後も更新されるコンテンツがあるということ。購入者限定でアクセスできるページがあり、そこに質問フォームを設置。購入者はそこからメールで取り上げてほしいテーマや意見・感想などを直接送ることができる。寄せられた意見を元に、さらに梅田氏と中島氏が往復書簡を続けていくという臨場感を持たせている。
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 電子書籍の購入者が、購入後も著者とコミュニケーションできるというのはデジタルならではの展開といえる。ラジオ番組のように、読者からのお便りを著者が実際に読んで、音声や動画で配信するということも割りと簡単に実現できそう。何よりも「コンテンツが販売後も進化していく」というモデルにロマンを感じる。
 デジタル時代になって「モノを所有することへの欲求」が薄れているとよく言われる。音楽がCDの所有からライブコンサートへ参加することに欲求がシフトしていったように、「時間を共有すること」に嗜好が変化していることが現実に起こっているが、この電子書籍の取り組みもそういう流れの一環なのだろう。