edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

愛媛新聞、iPadやサイネージなど4デバイスで電子新聞のデモ

 愛媛新聞社は六月十八日、十九日の両日、松山市内で開かれた情報通信関連イベント「えひめITフェア2010」で電子新聞のデモンストレーションを実施した。iPadやタッチパネル型デジタルサイネージなど最新デバイスの画面に記事や写真が表示され、来場者は指先で触れて最先端の“新聞”を体感していた。
 デモは同社初の試みで、フェアに出展した関連会社・愛媛CATVのブースでワイヤレスネットを利用。休息に進展するITに対応するためマーケティングを兼ねた実証実験として行った。使用機器はiPadiPhoneデジタルサイネージ、タッチパネル型PCの四種。
 ブース入り口に四十六インチの大型画面のデジタルサイネージを設置。紙の新聞と同じ状態で表示された画面に触れることで、▽ページめくり▽動画ニュース再生▽一面のインデックスの見出しから掲載面の該当記事へ移動▽読みたい記事の拡大表示―などが可能となり、広告をフラッシュ映像で表示し、タッチすると広告主のウェブサイトにジャンプして詳細な情報が得られるなど、従来の新聞とは違った機能も備えた。
 (新聞之新聞 2010年7月7日「愛媛、電子新聞デモ 読者が求める形 見極め」)

 愛媛県の県紙、愛媛新聞が地元のIT展示会で4種類のデバイスで電子新聞のデモンストレーションを行ったという業界紙の記事。
 紙面画像をベースに、iPadデジタルサイネージ(電子看板)、タッチパネルPCといった異なるデバイスで表示させ、利用者の反応を調査していたとのこと。デジタルサイネージによる新聞紙面表示は以下のような感じ(新聞之新聞に掲載された写真より)。大画面をタッチして新聞をめくる様子がよくわかる。
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 愛媛新聞社は読者会員制度「アクリートくらぶ」を運営しており、自社の記事は会員専用のウェブサイトでしか見せないというポリシーでウェブサイトを運営している。
 今回のデモでは、iPadデジタルサイネージといったPC以外の媒体で紙面画像を見せるということに主眼が置かれているようであり、一般のウェブサイトで見せようという意図はあまり感じられない。愛媛新聞の考える「電子新聞」が、単に紙面画像に動画ニュースをプラスアルファしたもの液晶ディスプレイに出すにとどまるのか、それともアクリートくらぶのような読者会員制度を取り込み、ソーシャルメディアの要素も取り入れていくつもりなのかどうか。
 アクリートくらぶのツイッターでは、加盟店の紹介や新聞販売店およびユーザーとの双方向コミュニケーションにも取り組んでおり、実際のサービスでは後者の要素も入ってくるのではないだろうか。