毎日新聞、新媒体の創刊をTwitterで表明
4月27日午後9時5分、Twitterの@mainichiRTというアカウントで毎日新聞社が近日中に新たな媒体を創刊することを表明した。最初のつぶやきから1日で3200を超えるフォロワーが集まるなど、Twitter上ではけっこう注目されたようだ。
つぶやきによると、「ツイッターと連動して時代と共振する新しいメディアを目指します」「正式発表や媒体資料は5月上旬」「ターゲットは新聞の読者層平均よりちょっと若い層」といったことが書かれている。
また、双方向性を生かすということで、さっそく意見の募集を開始している。「小沢幹事長を起訴相当とした検察審査会全会一致の判断や参院選への影響」「子どもの死骸を背負って暮らす野生チンパンジーのお母さんの話」「アップル製品が家電通販サイトが取り扱われなくなっているという話」といった、毎日.jpでよく読まれた記事をベースに、幅広い意見をユーザーから募るとのこと。意見を寄せるユーザーのつぶやきにハッシュタグ(#mainichirt)をつけてもらい、ユーザーからの意見を紙面へ掲載するなどの双方向性を考えているようだ。
中の人が書いた(と思われる)記事はこちら。3月に実質休止となった「まいまいクラブ」の精神を受け継ぎ、既存メディアとネットユーザーからの情報発信が互いに補い合うことを目指すことを表明している。
ただ私は、表現はともかく、それらが問題としている「新聞は真実を伝えていないのではないか」という疑問、「記者は優越的地位にあるのに勉強不足」という不満、「ニュース選択や記事の展開が恣意(しい)的」という批判には、時間をかけても真剣に向き合っていく必要があると思った。あまりの流速に交通整理以上のことはできなかったが、最終的にはよい問題提起ができたと思う。また逆に、新聞への期待を感じることのできた経験でもあった。(中略)
マスメディアは大きな岐路に立っている。ツイッターは多くの人に手軽な発信を可能にした。技術の進歩は、かつて巨大な装置を必要とした映像による発信ですら容易にしている。私も、事業仕分けはツイッターやネット上の映像配信サービスを使い簡易中継する「ダダ漏れ」で見た。金融やビジネス、アートなど専門的な領域の情報を当事者のつぶやきで知る楽しみも大きい。ソーシャルメディアの同時性、ネットワーク性の前で、新聞社として何ができるか。答えは必ずあると信じている。二項対立を超え、「既存メディア」の報道とネットからの発信が相補う形で、よりよいコミュニケーションが実現されることが、望ましい未来だと考えている。
⇒記者の目:双方向サイト「まいまいクラブ」投稿30万件=中島みゆき - 毎日jp(毎日新聞)
新しい媒体は、おそらくフリーペーパーではなく、有料で販売するスタイルなのだろう。配達になるのか即売オンリーなのかは不明だが、この時代に厳しいチャレンジになることは間違いない。しかし、こういう情熱や理想が伝わってくるプロジェクトはひさしぶりに見たように思う。