edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

産経新聞編集長がイチ押し記事を動画で解説 Youtubeで公開

 Youtube(ユーチューブ)の産経ニュースチャンネルを見ていたら、芸能人の記者会見動画などに混じってちょっと毛色の変わった動画があった。
 産経新聞の担当編集長が今日のイチ押し記事や写真を紹介するという動画。その日の紙面編集に関する最高責任者が、自らの言葉で記事を解説するというもの。今年の1月下旬から始まっているようだ。海外ではニューヨークタイムズの編集会議を動画番組にして公開している例があるが、果たして「モノ言う新聞」こと産経はどんな風にしゃべってくれるのか、期待しながら視聴した。

 とりあえず感想としては、「こういうことにチャレンジしようという姿勢は素晴らしいが、やや期待はずれか」といったところ。
 その日の記事の中から、特に注目となる記事に焦点を当ててその背景などを説明するのだが、時間が3分超とやや長く、しかも淡々としゃべる人が多く、何本か見たがすべて途中で飽きてしまった。また、取り上げる注目記事も「普天間問題」「政局」「JALリストラ」など、硬派(政治や経済)記事に偏っているように感じる。少なくとも動画の長さは今の半分くらいにして、しゃべりに抑揚をつけた方がいいような気がする。
 公開のスケジュールとしては、ほぼお昼前に当日紙面の動画をアップしており、解説をする編集長と動画の制作部隊は正午を目指して努力しているのだろうと思う。ナレーションというほとんどの新聞記者にとって経験したことのない業務を、編集長自らが先頭に立ってやっているということは驚きですらある。
 しかし、この動画を見た後で朝のワイドショーの「朝刊チェック」コーナーを見てしまうと、各紙の記事から注目のニュースを複数選び出し、それらの要点を簡潔に視聴者に伝え、見ている人に「へぇ、なるほど」と思わせるテレビ局のテクニックの高さに改めて感嘆する。理性に訴える新聞(=共感させるのは苦手)と、感性に訴えるテレビ(=背景を理解させるのは苦手)の違いを再確認できたように感じた。みのもんたや古館伊知郎は叩かれることも多いが、やっぱり「視聴者を共感させる」ための基礎となるスキルはすごいんだ。