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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

新聞各社の採用事情 日経・西日本が7割減

 もうすぐ新年度ということで、各社の今春の採用内定者数がFACTA4月号に載っていた。日本新聞協会が集計した各社のデータをまとめている。不況のあおりを受け、各社とも採用を減少させている様子がよくわかる。目立つのは2009年12月期決算で戦後初の赤字転落した日経が7割減と極端に採用人数を絞り込んでいること。産経や毎日も半減以上。北海道や西日本といった大手地方紙でも採用抑制が目立つ。
 採用人数トップは読売、ついで朝日と共同。全国に支局を持つ以上、ある程度の人数は確保しなければいけないのだろう。
 下落率の上位は採用なしの京都のほか、7割減の日経・西日本、6割減の産経、5割減の北海道・毎日。これだけ一気に採用数を絞り込むと、地方支局に出ている記者たちの異動時期に影響しそう。

2010年 2009年 前年比
読売 93 108 86%
朝日 59 79 75%
共同 53 51 104%
中日 46 63 73%
毎日 36 73 49%
時事 35 52 67%
日経 22 71 31%
北国 22 27 81%
信濃毎日 14 21 67%
産経 11 31 35%
中国 11 10 110%
静岡 10 15 67%
北海道 7 16 44%
山陽 7 12 58%
神戸 5 5 100%
西日本 5 21 24%
高知 4 5 80%
新潟 3 5 60%
熊本日日 3 6 50%
南日本 3 9 33%
河北 1 3 33%
京都 0 7 0%

 そのほかにこんな話題もメモ。

  • 広告や販売、業務部門の採用抑制が目立つ
  • 中国が「デジタルメディア部門」を設け3人を採用。電子新聞を創刊した日経のデジタル部門は前年の6人から1人に絞り込む。
  • 女性比率は前年並み。共同・朝日・毎日・読売・日経で4割が女性。
  • 入社時の年齢を引き上げる動きも。毎日は入社時年齢の上限を28歳から34歳に引き上げ。産経も27歳から29歳に。

 業績不振の会社がまず手をつけるのは、新卒採用の抑制と退職者数との差による社員数の自然減なのだろう。当面はこういった形で人件費抑制に手をつけていくのだろうが、若手世代が薄くなることで、同世代へのアピールが薄くなる危険性はないか。
 現在の新聞主読層は40代・50代以上の中高年層であるから、直接的な影響が出る可能性は少ないだろうが、中長期的に見たとき編集方針に若い世代の視点が欠けることになるという危惧が残る。まあ、逃げ切り世代にとっては「知ったことではない」のかも知れないが。