edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

経営悪化に苦しむ毎日新聞社の改革計画

 先月発売され、業界関係者がこぞって読んだ(と思われる)週刊東洋経済2月20日号「新聞・テレビ断末魔」では経営悪化の状態をけちょんけちょんに書かれていた毎日新聞社だが、社内ではどのように経営改革を考えているのか、その一端が伝わってくる内部関係者からへの取材が業界紙FACTAに出ていたので概要をメモ。

人員削減

  • 今年の新規採用は昨年の半分以下の二十数人に絞る。
  • 定年などで退職する約100人分が減員となる。
  • これが10年続ければ、現在約2800人の社員は約 1800人となり、地方支局の大幅なリストラをしなくても組織のスリム化は進むとみている。

地方紙との連携

  • 下野新聞福島民報北國新聞など十数社との契約が決定。
  • 山形新聞熊本日日新聞などとも交渉を進め、提携先は20社程度を目標。
  • 地方紙は料金を受けるだけでなく、毎日からニュース解説や岩見隆夫氏などのコラム、「毎日小学生新聞」の記事などをもらう
  • 毎日小学生新聞」は28カ月連続で部数増。小学校などで「出前授業」を行っていることが好結果。地方紙側からコンテンツ提供の依頼が多い人気媒体。

夕刊の廃止

  • 「北海道で夕刊をやめたが健闘している」と同社関係者。次の改革は夕刊廃止による朝刊の質向上。

その他

  • 経費節減のための共同通信との取材ヘリの共用化は難航。両社のカメラマンが「特ダネの現場撮影のときに困る」などと抵抗。
  • 昨年から始めたTSUTAYAなどを展開するCCCとのTカードによる提携効果に期待。Tカードを持つ約3400万人の6〜7割は、新聞から縁遠い20代、30代であり、提携を生かした取り組みを今年から始める。

毎日新聞が「脱発表ジャーナリズム」に活路:FACTA online

 FACTA記事のソースは「社内関係者」とのことなので、これらの見通しがどの程度実現するかはまさにこれから次第。マスメディア内部からの視点として「脱発表ジャーナリズムにより報道の質を高める」が至上命題であることは当然だとしても、第三者の視点からすればまだまだコストを削れるところがたくさんあるんだろうなあ…。