edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

河北新報が地域の動画投稿サイト「動画の辻」オープン

 宮城県を地盤とする地方新聞社の河北新報が、ウェブサイト内に動画投稿サイト「動画の辻」を開設した。河北新報のトップページからグローバルメニューの「動画」をクリックすることでアクセスできる。
あなたの投稿でつくる 動画の辻screenshot
 サイトは動画共有・投稿サイト運営を請け負うPeeVee.tvのシステムを利用している様子。PeeVeeは「すべての投稿コンテンツを目視確認し、違法・不適切動画を省いた健全な動画共有サイト」を目指すことをポリシーとしており、新聞社系では毎日新聞朝日新聞の動画サイトで採用実績がある。Youtubeとは異なり、投稿されたコンテンツを事前に確認する体制を持っているということが、新聞社にとって安心感となっているのだろうか。
 河北新報社メディア局長の佐藤和文さんのブログに、このサイトをスタートするにあたって、地方新聞社が動画投稿サイトに取り組む意義が述べられている。

 「市民が毎日、大量に撮影する動画の中にも、地域の暮らしや文化を反映するようなシーンが必ず含まれている。地域の暮らしや風景は残念ながら時間の経過とともに失われることが珍しくない。人々の記憶も薄れていくのは避けられない。全国各地で市民活動団体などが、地域の映像資料や写真を収集し、保存する運動に取り組んでいるのはそのためだ。地方新聞社が市民と協力しながら『動画の辻』のような仕掛けを運営し、地域の暮らしや風景の記憶を少しでも確かなものにできるとしたら、ネット社会に根差した仕事領域に育つ可能性がある」
Web日誌: 投稿サイト「動画の辻」

 地域をキーワードにした動画投稿サイトというのはあまり例がないように思う。地方紙ではYoutubeやニコニコ動画に公式チャンネルを持つ佐賀新聞を筆頭に、北海道新聞東奥日報中国新聞といったあたりの社が動画撮影に熱心だが、自社が取材した映像をネットで流すのが主流で、地域の住民から動画の投稿を募るという取り組みを中核に据えたのは河北新報が初めてではないか。さすがSNS「ふらっと」を運営し、地域で暮らしながらネットを上手に活用するブロガーとの連携を強めている河北新報ならではの取り組みだと思う。