edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

日経の電子新聞創刊は来春 徐々に概要明らかに

 日本経済新聞社が2010年春に発刊する電子新聞は従来の紙の新聞とは全く違う新しい媒体となる。新聞では表現できない映像や、過去の豊富なデータを一覧できるなど、これまでにない読み方を提案。日経以外にも、世界中からビジネスに不可欠な情報を集め、厳選して提供する。ネット時代にふさわしい情報発信の新しいプラットフォームを目指す。
日経、電子新聞を来春創刊へ[特集:電子新聞]:NIKKEI NET

 11月26日の日経朝刊に、先月の10月12日に続き1面丸ごと使って電子新聞についての特集紙面が掲載された。同じ内容は上記のウェブサイトNIKKEI NETページでも閲覧可能。これから来年の春まで1カ月に1回のペースで特集紙面を投下し告知を進めていくつもりなのだろうか。
 今回の特集紙面に掲載された「電子新聞の概要 Q&A」で明らかになったディティールは以下の通り(カッコ内はツッコミ)

  • 電子新聞の創刊時期は「来春」で確定(→前回の特集紙面では「来年」だった)
  • 支払方法はクレジットカード。将来的には多彩な決済方法を用意。朝夕刊の購読者には割引も(→新聞販売店を経由した集金方法は見送り? その場合、紙の購読とのセット割引を受けるにはどうするのか。自己申告もしくは領収書を送って証明?)
  • 無料でも読める記事を用意。また、有料購読者との間に氏名などを登録する「無料会員」制度を設け、一定本数の有料記事が読める(→「フリー(登録なし)」「無料会員」「有料会員」の3層構造でそれぞれのサービスに差をつける)

 記事には同じく英米の代表的な経済紙であるファイナンシャル・タイムズ(FT)、ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の登録なしユーザーと有料会員の利用者数が参考に載っている。それによると、FTの場合、登録なしユーザーは月間1140万人に対し有料会員は12万人、WSJは登録なしユーザーが月間2000万人に対し有料会員は120万人となっている。FTには無料会員制度もあり、160万人の会員がいるとのこと。
 NIKKEI NETの登録なしユーザー(月間のユニークユーザー)はだいたい1000万前後であるから、同じく無料会員制度を設けるFTと比較すれば有料会員10万人は狙いたいところだろう。
 あと気になるのは値段。WSJの有料会員は年間103ドルであり、紙の購読料金は年119ドルと、それほど差がない(日経朝夕刊の購読料金を年間換算すると5万円くらいになるので、それに比べると安いね)。紙とネットのセット料金は年140ドル。来春創刊ということを考えると、元日の紙面あたりで明らかにするのだろうか。どこか別の社がスクープしたら面白いのに。