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国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

朝日新聞と中日新聞が再来年春めどに相互委託印刷

 朝日新聞社中日新聞社は14日、2011年春をめどに新聞を相互に印刷委託するなどの業務提携で基本合意した、と発表した。新聞発行を取り巻く経済環境が厳しさを増す中、経営効率を高めて経費を節減する狙い。
 今後は、輸送や販売での協力についても検討する。
 朝日新聞は、京都市と愛知県北名古屋市の工場で印刷している石川、福井、富山県向けの朝刊計約3万4千部の印刷を、金沢市にある中日新聞の工場に委託する。
 中日新聞は、神奈川県や静岡県などで発行する東京新聞の朝夕刊計約15万部を、川崎市にある朝日新聞の工場で印刷してもらう。
 記者会見した朝日新聞の宮田善光取締役は「相当なコストカットになる」と説明。中日新聞の小出宣昭専務取締役は「輪転機更新の設備投資費二十数億円がなくなる」などと提携の利点を強調した。
朝日、中日が新聞印刷で業務提携 2011年春から相互委託 - 47NEWS(よんななニュース)

 全国紙の朝日新聞とブロック紙の中日新聞の相互印刷業務提携のニュース。
 これまで全国紙と地方紙の印刷の業務提携といえば、読売新聞と新潟日報や朝日新聞と中国新聞のように、全国紙側が地方紙側の印刷工場に印刷を委託するという一方通行的な形が多かったが、今回のケースは(部数に開きはあるが)両者がそれぞれに印刷を委託し合うという点で珍しいように思う。中日新聞社は首都圏では「東京新聞」の名前で別の媒体を発行しているので、こういう形の業務提携が可能だったのだろう。
 しかし、北陸地域で配る朝日新聞を、京都はともかく愛知県の北名古屋市でも刷っていたとはちょっと驚き。愛知から北陸まで運べば輸送コストはかかるし締め切り時間も早くしなきゃいけないし冬は雪の影響も馬鹿にならない。現地で刷れるのであればそれに越したことはないだろう。印刷の世界にCTPが普及し、デジタルのデータが工程のほとんどを占めるようになった今、紙面制作の現場と印刷工場を一元的に運用する必要は昔ほどなく、今後もコスト削減を理由にこういった動きは進んでいくのではないか。