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西日本新聞メディアラボ受託制作の自治体PR動画が相次ぎ公開

 昨年10月に公開され、海外からの多くの反響と160万回を超える再生回数があった草津温泉の観光プロモーション動画を受託制作した西日本新聞メディアラボ。4月に入って立て続けに「大分県由布市の観光PR動画」「古賀市の移住定住プロモーション動画」「福岡市観光プロモーション映像」の受託制作動画が公開された。

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 4月20日に公開されたのが大分県由布市の観光PR動画。温泉湧出量全国3位を誇る「由布院温泉」をはじめとした豊富な温泉や、名物の鰻、豊後牛や地鶏の炭火焼などのグルメ、秋から冬にかけて見ることができる朝霧の幻想的な風景などをゆるやかなカメラワークとBGMに乗せて描いている。公開1カ月で20万回弱の再生。中国語のコメントが目立つ。

 21日に公開されたのが福岡県古賀市への移住を促進するための動画。レコード会社のポニーキャニオンとの共同事業となっている。内容は子どもが大勢の大人を前に古賀市の魅力を堂々とプレゼンするというスタイルで、「企業誘致」「移住促進」「定住化推進」の3つのテーマを訴求している。「なんで子どもがプレゼン?」という素朴な疑問には、動画の最後にオチがついていた。なお、昨年行われた発注元である古賀市の公募資料と審査結果はこちらで見ることができる。

 26日に公開されたのが福岡市の観光プロモーション映像「Hyperlapse FUKUOKA CITY」。監督には過去に西日本新聞メディアラボと組んで、軍艦島草津温泉のPR動画を手がけた永川優樹氏(長崎県出身、福岡市在住)を起用。流れるように撮影した映像を早送りする「ハイパーラプス」という手法を取り入れ、「福岡の一日」をコンセプトに、福岡の朝・昼・夜それぞれのエネルギーあふれる表情をスピード感と躍動感あふれる映像で紹介している。


 
 観光プロモーションが目的の福岡市と由布市の動画は、海外への拡散を強く意識し、文字による説明が極力抑えられ、場所を示す最小限の字幕となっている。日本語だけでなく英語・タイ語・韓国語・中国語(繁体字)・中国語(簡体字)の6種類の字幕が用意されている。

 昨年度中に仕込んでいた自治体からの受託事業の成果物が一挙に公開されたような印象だ。自主制作事業として取り組んだ軍艦島の4K動画プロジェクトをショーケースとして、着実に映像制作の実績を残してきていることがわかる。親会社である西日本新聞社のデジタル事業を担うだけでなく、他の業界からも積極的に業務を請け負う姿勢は地方紙の中でも随一と言えるだろう。

 逆に言えば、他社とのプロポーザル競争に勝ち受託業務を請け負うためには、ここまでのコンテンツ制作力や企画力、クオリティが要求される時代になっているということだ。新聞事業だけではジリ貧だから、自治体などからの業務受託にも手を出そうという同業他社にとっては大きなハードルとして映ることになるのかもしれない。

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