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edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

日経電子版Proが登場 法人向けに情報・機能充実、価格も月2千円アップ

 日本経済新聞社は3月27日、個人で利用するスタイルだった「日本経済新聞電子版」に、法人としてのデータ活用を可能にする機能を盛り込んだ新しいウェブサービス「日経電子版Pro」をリリースした。日経電子版で利用できるコンテンツや機能に加え、ビジネスの情報収集がチームでの利用に役立つ機能を搭載している。

チームの生産性・成果を向上させる法人契約の日経電子版|日経電子版Pro
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 現時点で日経電子版を法人契約しているユーザーは、4月28日(金)まで自動的に日経電子版Proにアップグレードされ、Proの機能やコンテンツを利用することができる。継続利用を希望する場合は、販売代理店まで連絡する必要がある。Proで拡張されたサービス・機能は以下の通り。

  1. 企業情報の充実。今までの電子版の約5倍、2万社の企業の基本情報、業績、最新ニュースなどを、企業別にまとめて閲覧できる。
  2. グループ紙記事も利用対象に。キーワードを登録すると自動的に記事を収集してくれる「MYニュース」の対象に、製造業の動きを細かく報道する「日経産業新聞」、消費トレンドを追う「日経MJ」、投資家向け情報紙「日経ヴェリタス」の3紙が追加。
  3. 人事異動情報サービス「人事ウオッチ」を標準装備。通常の電子版では月500円のオプション料金が必要な「人事ウオッチ」が標準で利用可能。登録した企業や人名の内容が検索できたり、メールで通知される。一部は「日経Who's Who」で経歴などの情報も閲覧可能。現時点で対応は企業・官公庁など6700社、経歴の閲覧が可能な人物数は約30万件。
  4. シェア・グループ機能。電子版の会員でないメンバーにも、月20回まで有料会員限定記事をシェアすることができる。ログイン不要で記事を読むことができる「ギフトURL」を発行されるという形式(下図参照)。

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 このほか、今年秋リリース予定として、メンバーをグループ化し、記事を自動収集をグループ単位でできる機能がアナウンスされている。読むだけではなく、記事のシェア・コメントができるから、グループ内で記事をより活用できるようになる。

 価格は1ライセンス(ID)月額6000 円(税別)。現行の電子版法人契約が1ID4000円なので2000円の値上げになる。1ユーザーあたり1ライセンスが必要で、ボリュームライセンス制度は説明がない。契約期間は6カ月ないし1年となり、期間中のライセンス数増加はできるが減少・解約はできないこと。

 なお、電子版Proの創設にともない、今後の法人契約は基本的に電子版ではなく電子版Proに誘導していくようだ*1。今後の新規顧客にとっては実質的な値上げではあるが、既存顧客にとっては有料オプションの人事ウオッチが標準で利用でき、キーワードによる記事収集対象にMJや産業も入ることを考えれば、ある程度納得感のある値上げではないだろうか。

 既存の法人契約顧客は自動的に4月28日までProにアップグレードされるというサービスインのやり方には少し驚いたが、「まず使ってもらってから入るかどうか判断してもらう」という姿勢は好感が持てる。有料会員数は50万人を超え、20代の若者の取り込みにも成功するなど順調な日経電子版だが、料金の値上げを提示できるのも積み上げた会員数の増加という自信あっての戦略だろう。また、ビジネスワーカー向けの「日経電子版」と、データベース中心のプロ向け「日経テレコン」との間をつなぐ商品という位置づけもできるだろう。

 そうなると次の展開はやはり「日経電子版アカデミック」だろうか。今のところ学生向け割引プランを作るような素振りは見せておらず、現在実施中の「春割キャンペーン」でも「通常より1カ月長い最大2カ月無料」という程度だが、大学の先生などから学割を要望する声をチラホラ聞く。媒体価値の維持や、会員数が順調に伸びているゆえに割引施策には慎重なのかもしれないが、逆に言えば会員数の伸びが鈍ってきたときの“切り札”として温存しているのかもしれない。

*1:一応、従来の電子版契約についても「ご相談に応じます」との表記はあるが、全体的に法人利用はProが前提のような雰囲気