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edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

熊本地震、熊日・西日本・毎日が生活情報発信 避難所ごとの取材状況も掲載

ウェブ メモ

 4月14日から熊本県を中心に頻発する地震震度5以上の大地震が続き、終息する気配が見えず避難生活の長期化も予想される中、全国紙や地元紙などの新聞社も紙面だけでなくウェブサイトで積極的な情報発信を続けている。

生活関連情報充実、Facebookページ活用 熊本日日新聞

 まずは地元県紙の熊本日日新聞は、Facebookページ上で「熊日ライフライン・災害速報」を随時発信。水道や鉄道の復旧見込みを速報したり、被災者や熊本への応援メッセージの募集を行っている。また、自社ニュースサイト「くまにちコム」に「生活関連情報」として下記の情報を掲載。市町村別に給水や物資の支給といった支援情報や、ごみの収集状況や主要病院の診療状況、さすが地元県紙だけあり、県内の各市町村別に細かな情報を掲載している。ただ、紙面に掲載されたものを転載しているとのことで、基本的に前日までに入手できた情報と考えた方が良さそうだ。

 少し気になったのは自社ニュースサイト内の「ライフライン情報」のページ。4月15日の時点ではテキスト主体で情報が掲載されており、従来型携帯電話を含めて閲覧しやすかったが、ある時点からFacebookページのウィジェットで構成されるようになり、スマートフォンなどで閲覧しづらくなってしまった。入力をFacebookページに一元化し運用の効率化を図ったのだろうが、これなら素直に直接Facebookページにリンクした方が良いのではと思ってしまった。

避難所単位で記者による取材情報を発信 西日本新聞

 福岡を中心とした九州のブロック紙である西日本新聞は、ニュースサイト内に「熊本地震 避難所情報」を開設。西日本新聞の記者が取材した避難所状況をまとめて発信している。大きな特徴は市町村別のページの多くで【○○公民館】【××小学校】のように、細かな避難所単位で現状で困っていることや必要な物資などの情報を発信していること。「支援物資は全く来ない」「風呂使えず紙パンツとウェットティッシュでしのいでいる」「看護師、介護士の応援を早く」など、現場からの生の声が数多く掲載されている。1日に何度も更新されており、紙面の締め切りとは関係なく情報がアップデートされている。

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情報のジャンル分類に見やすさ 毎日新聞

全国紙の毎日新聞はニュースサイト内に「熊本地震ライフライン」のコーナーを開設。病院/生活関連/避難所/入浴/郵便・宅配/電気・水道・通信・ガス/通信/交通などジャンルに分かれて情報がまとまっている。「避難所のトイレの作り方」といった記事や、「お年寄りの体調管理Q&A」など、長期化する避難生活に備えた記事も盛り込まれるようになってきた。

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 今回の地震で全国紙・地方紙から数多くの記者が避難所などへ取材に行っている。ただ、紙面制作はどうしても「ニュース性」が重視され、読者へ与えるインパクトの大きい内容が大きく扱われた結果、それぞれの記者によって集められた細かな情報は全て載せられなかったり、載ったとしても多くの情報が詰め込まれた中に数行だけの扱いになってしまうことも多い。だが、ウェブであれば必要な情報を必要な場所に掲載することができ、掲載まで一晩待たなくてもよい。また、状況が変われば追記したり注釈を入れるなどアップデートを入れていくことも可能だ。

 そういう意味で、西日本新聞の「避難所ごとの情報発信」はその特性を大きく生かしたものと言えるだろう。取材記者の一次フィルターを通すことで、ある程度の情報の整理と信頼性を担保することができる。新聞紙面の1面や社会面には乗らなくても、避難所単位の情報をピンポイントで必要としている人は必ずいるはずだ。

 これからの新聞社にとって、紙面でその時点のニュース性と読者へのインパクトを追求するのと同じ熱量で、ミクロだがそこで暮らす人にとって切実な情報を拾い上げ、それをデジタル上で整理・流通させていくことが重要となってくることを予感させる取り組みだった。