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edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

下野新聞、水害関連の通行止め情報をGoogleマップ上に展開

ウェブ


 9月9日から11日にかけて関東・東北を襲った台風18号による猛烈の豪雨。茨城・栃木・宮城の3県に特別警報が出され、茨城県の鬼怒川や宮城県の渋井川の堤防が決壊し、多数の被害をもたらした。2週間を過ぎた今も道路の通行止めなど生活に多くの影響をもたらしている。

 そんな中、栃木の県紙・下野新聞は自社ウェブサイト「栃木県内広域水害」のコーナーで、被害や復旧の状況を伝える記事と並べて、Googleマップの「マイマップ」機能を使った通行止めマップを提供している。水害の影響で通行止めになった地点や道路、橋などの区間を赤色のアイコンや線で表示し、ひと目でわかるコンテンツだ。各市町村のウェブサイトに掲載された情報を参照しながら更新しているため、必ずしも最新の情報ではないそうだが、解除された地点は青色のアイコンで表示したり、通行止めが解除されたり対面通行が可能になる時期の見込みがあればその日付も記載するなど、利用する側が求める情報をなるべく盛り込むよう工夫している。

[特集ページ]⇒栃木県内広域水害|下野新聞「SOON」
Googleマップ]⇒栃木県内広域水害・道路情報(通行止め、解除見込み、9月23日現在)

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 情報元の各市町村ウェブサイトでは、例えば鹿沼市日光市下野新聞と同様にGoogleマップを利用した通行止め情報の提供を行っている。だが、テキストで通行止めの地点が羅列してあるだけだったり、PDFで情報を提供している自治体もまだ多い。地図上で視覚的にひと目でわかり、パソコンだけでなくスマホタブレットなど様々な端末で活用可能なGoogleマップ上で情報を得られるのは非常に便利だ。

 また、各市町村ではそれぞれ自分の自治体の情報しかわからないが、栃木県内全体の通行止め情報がわかるのは県内全域をカバーする下野新聞ならでは。また、オープンなGoogleのマイマップ機能を利用しているため、データを自分のスマホに取り込むことも可能だ。下手に自社サイト上に画像やJavascriptを駆使して作りこむよりはるかに使いやすいものができるだろう。通行止め情報を記事として紙面やウェブに掲載するだけでなく、このようにわかりやすい形に加工して提供しているのは、地方紙ならではウェブの活用と言えるだろう。

 調べたところ、下野新聞は昨年からクマの目撃情報が寄せられた地点をGoogleマップ上で表示する「とちぎクマ目撃情報」というコンテンツをウェブ上で提供している。直近、2015年の累積、2014年の累積の3つの地図が提供されており、紙面にクマ目撃の記事が掲載されるタイミングに合わせて情報が更新されているようだ。

 パララックスを使ったイマーシブコンテンツのような派手さや、被害状況をリアルに伝える360度パノラマ写真のような見た目のインパクトはないが、地域の人に求めるコンテンツをスピーディーかつ利用しやすい形式で提供するという意味で、地に足の着いたセンスのいい企画のように感じた。これからの災害報道において、地方紙が果たすことができる一つのモデルケースにもなりえるのではないだろうか。