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edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

朝日新聞デジタルに「就活割」導入 就活サイト会員対象にほぼ半額

 朝日新聞デジタルは6月1日より、就職活動中の大学、短大、専門学校生を対象とした電子版の割引サービス「就活割」を開始した。通常の電子版単体価格である税込月額3,800円がほぼ半額の2000円となる。朝日新聞は2010年から、一人暮らしの学生を対象にした紙の新聞の学割価格を設定し、朝夕刊のセットを約4割引きの2,500円としたり(参考)、学割対象者には電子版を通常紙プラス1,000円を500円に割り引き、合計3,000円とするキャンペーンを実施してきたが(参考)、今回は紙の購読条件を外し、デジタル単独で紙よりも安い価格として提供する。

[申し込み]⇒朝日新聞デジタル 就活生みーんな2000円♪就活割
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 「就活割」の利用にあたっては、2017年3月に卒業予定の新卒学生向け就職活動サイト「マイナビ2017」または「朝日学情ナビ2017」のIDが必須となる。就活サイト会員限定にすることにより、割引対象であることを担保している。これに対応して、マイナビの就活準備のコーナーに「朝日新聞の1面で“今”を知ろう」というコンテンツが、朝日学情ナビに「就活ニュースペーパー」というコンテンツが設けられ、それぞれ日々のニュースや就活関連の話題を掲載するとともに、「就活割」を使えば朝日新聞デジタルが割安で登録できる告知を行っている。

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 この割引サービスについては朝日新聞デジタルのトップページや個別記事ページにはほとんど告知がなく、総合ガイドに控えめな告知があるだけ。対象者を就活生に限っているだけに、就活サイト側からの導線を意識しているようだ。新卒向け就職サイトといえばリクナビマイナビが2強。両社に登録する学生が多いと思われるので、片方を抑えておけば大多数の対象者にリーチできるだろう。朝日学情ナビが対象なのは運営する学情と朝日新聞社が資本業務提携している関係と思われる。

 朝日新聞に限らず、紙の新聞購読において主に一人暮らしの学生を対象にした学割制度を導入している新聞社は以下のようにいくつかある。

 全国紙やブロック紙では、通常4,000円程度の朝夕刊セット価格を2,500円に抑える社が多い。だが、今回の朝日新聞デジタルの割引はそれらよりもさらに安い2,000円という値付けであり、一人暮らしという条件も当然ない。販売店への配達コストが発生しないからこそできる取り組みであり、2年前に当時の木村社長が新年あいさつで「若者に紙は読まれない」と示唆したことを体現したような施策である。

 就職活動といえば新聞を読み始めるきっかけの一つとなる出来事と言われてきたが、今の学生にとっては「新聞を読むのを人に見られるのは恥ずかしい」「気取ってると思われる」という意識すらあるそうだ。朝日としては、紙ではなくスマホやPCでもウェルカムだから、なんとかこの機会に自社サービスに接してほしいという狙いなのだろう。これ以上の新聞離れを防ぐためには、紙にこだわってはいられない姿勢だ。

 気になるのがグループ内に「日経就職ナビ(2017年新卒向けはキャリタス就活2017)」を抱える日経の動き。もちろん日々のニュース配信などでコンテンツ連携は行っているが、基幹商品である電子版の学割価格を展開すれば会員増へ大きな効果があるだろう。就活サイトもう一方の雄であるリクナビと連携できればさらにインパクトは大きい。とりあえずの適用期間は卒業までとするが、卒業間近に「入社後1年間は割引価格継続」などの特典を出せば、解約率低下にもつながるのではないだろうか。読者個人と直接つながれる電子版だからこそ、いろいろな可能性が考えられそうだ。
 

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