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edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

福井新聞が「詩歌の森」開設 俳句や短歌など投稿作品のデータベース

 福井新聞社は17日、電子新聞「福井新聞D刊」の新しいサイト「詩歌の森(しいかのもり)」を開設した。福井新聞に投稿されている俳句、短歌、川柳、冠句、漢詩作品を集めて掲載。県内の愛好家の作品をパソコンやスマートフォンタブレットでいつでも楽しめる。

 福井新聞で長年親しまれている福井俳壇、福井歌壇、福井柳壇、福井冠壇、福井漢詩のコーナー。県内の団体、グループから毎月多くの作品が投稿されている。多くの作品をさらに広く発信するとともに、愛好家の方々の創作活動の一助となればと「詩歌の森」を立ち上げた。
俳句や短歌など掲載「詩歌の森」 福井新聞D刊に新サービス |福井新聞ONLINE

 福井新聞社は4月17日、俳句、短歌、川柳、冠句*1漢詩の投稿作品を検索できるサイト「詩歌の森」をオープンした。パソコンとスマートフォン、それぞれに合ったページで利用できる。利用には電子新聞「福井新聞D刊」への登録が必要で、福井新聞の購読者は月額800円、未購読者は月額3450円(いずれも税込み)が必要。支払いはクレジットカードのみとなっている。ちなみに福井新聞には「チラシの森」という折込チラシのウェブサイトがあり、似通った名前となっている。

[公式サイト]⇒福井新聞|詩歌の森
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 まず驚くのが文字の大きさ。メニューに使われる文字のフォントサイズは48ポイント、作品の文字に使われるフォントサイズは36ポイントと、ブラウザデフォルト値の倍以上の数値が指定されている。ボタンやメニュー等も非常に大きく、右メニューや広告などもない。極めてシンプルに構成され、迷いがないようになっている。いかにメーンターゲット高齢者に配慮してデザインしたかが読み取れる。

 昨年秋以降に投稿された作品約1万点がすでに収録されており、作品名や作者名、所属サークル名をキーワードにして検索が可能だ。また、ブラウザをリロードするたびにページに表示される作品が変わるため、新たな作品に出会う楽しみも増える。新聞掲載日での検索やサークルの一覧などもあるとさらに良いし、季節などのテーマ単位で見れても良いように思う。例えば冠句であれば、これまでどんなお題が出されてきたのかわかると嬉しい。

 気に入った作品や作者を「お気に入り」としてマイページに登録したり、「いいね!」を押して作品を推薦することができる。自分や所属サークルの名前を「お気に入り」に入れておけば、過去に掲載された作品を一覧することも可能だ。また、「いいね!」の数によって決まるランキングもある。自分の投稿した作品に「いいね!」が着く楽しみも新たに増え、愛好者にとっては嬉しいだろう。ただ、「いいね!」をできるのはD刊に登録した会員のみとなっているが、アイコンのデザインがFacebookの「いいね!」と混同しそうなのが少し気になった。

 地域の俳句、短歌といった創作文化の育成において、新聞社がこれまで果たしてきた役割は大きい。投稿者にとって新聞に作品が載ることは名誉だが、それをいつでもネット上で振り返ることができることができるのは非常に便利だ。新聞の主要購読者である中高年に向けたコンテンツとして大変興味深い。作品を直接投稿できる機能が加われば、ハガキやFAXを使う必要もなくなり、より便利になる。

 オープンしたてでまだ「いいね!」がついた作品が少ないが、これを盛り上げていくためにはやはり作品の批評ができるコメント欄の設置が有効だろう。Yahoo!ニュースの「オーサーコメント」やNewsPicksのプロピッカー制度のように、まずは選者やサークルの代表を新聞社側でスカウトして無料でIDを渡し、毎週一定数のコメントを依頼する。彼らによる専門家としての一言評があると、本人はもちろん読む方もさらに味わい深くなる。それがいずれ投稿者同士の批評につながっていけば、盛り上がっていくのではないだろうか。

 短歌や俳句についてもオープンな発表の場があふれる現在、過去の作品を読むためだけに新聞代プラス月800円の出費は躊躇するかもしれないが、新聞というブランドを生かした愛好家同士のオンラインサロンとしてならば財布の紐も緩みそうな気がする。中高年層もどんどんスマホタブレットを使いこなしていく中で、地方紙ならではの有料サービスの試金石となるか、注目したい。

*1:題として出された上5文字に中7字・下5字を付けて1句に仕立てるもの