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edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

神戸新聞、震災20年でトップページを特別仕様に 語り継ぐ決意示す

ウェブ メモ

 阪神・淡路大震災から20年を迎えるにあたり、電子版「神戸新聞NEXT(ネクスト)」は、震災と被災地の取り組みを広く伝えようと、パソコン向けトップページを一新しました。18日夜までこのページを表示します。
 トップページの背景に1995年当時の画像を配置するほか、新着ニュースのコーナーでは震災関連記事と写真を常時掲載し、ネクスト全体で阪神・淡路大震災を発信していきます。
 「被災地はいま」と題したツイッターのコーナーでは、17日追悼の現場から記者がつぶやき、ます。追悼行事や教訓を伝える催しがある東遊園地や人と防災未来センターなどから、記者が発信します。
 「読み解くトピック」と題したコーナーでは、著名人のインタビューや読んで役立つ防災記事などを用意しました。
 ネクストの独自コンテンツである「阪神・淡路大震災デジタルマップ」では、被災地529カ所で震災当時と今の写真を見ることができます。「1995年生まれ 震災の記憶を求めて」には二つの物語を追加しました。自宅跡地が防災公園になった商店主と全壊判定を受けた生家を再生させた建築家に、95年生まれの若者がインタビューしました。
神戸新聞NEXT|社会|震災20年、ネクストのPC向けトップページが変わりました

 1995年1月17日の阪神・淡路大震災の発生から20年になるのに合わせ、神戸新聞社は1月15日から18日夜まで、自社のウェブサイト「神戸新聞NEXT」のパソコン版トップページを大幅に変更した(現在は終了)。同時に「6つの提言」を発表し、震災の経験と教訓を踏まえ、災害への備えを〈守り〉の取り組みと捉えず、社会の在り方を根本から見直し、暮らし方、生き方を創造する〈攻め〉の契機とするよう、発想の大胆な転換を求めている。

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 トップページの背景画像には1995年当時の写真を配置し、トップページの多くの部分を割いて、震災の記憶と被災地の取り組みを伝えるためのコンテンツを大々的に紹介していた。ページを少し下にスクロールすると背景写真にぼかしがかかり、コンテンツへの集中を促すデザインとなっていたのも小粋な演出だ。

 主要ニュース下の「被災地はいま」というエリアでは、17日前後の追悼行事や教訓を伝える催しの取材現場からそれぞれ記者が以下のようにツイートを行っていた。20年という節目をリアルタイムに追いかけ、多くの人にとってこの日に特別な思いが込められていることが伝わってきた。

 これらは昨年9月の「震災特集ページの一新」から始まった取り組みの集大成といえる。神戸新聞はそれまでも阪神・淡路大震災の記憶と復興への取り組みを伝えるコンテンツをウェブ上で積極的に発信してきたが、20年を迎える前年に特集ページを一新。スマートフォンへの対応を始め、グラフ・図表を駆使して20年を振り返るコンテンツ「年表でたどる」「データで見る」、震災の年に生まれた20歳の若者によるルポ記事「1995年生まれ 震災の記憶を求めて」、被災地529カ所で震災当時と今の写真を見ることができる「デジタルマップ」、過去と現在の写真をスライドバーで切り替えて比較表示できる「まちの譜」、読者に震災の前日何をしていたかを尋ねる投稿企画「震災の前日。」など、様々なコンテンツを追加してきた。一朝一夕の取り組みではなく、非常に息の長い取り組みだ。これまでも、そしてこれからも震災の記憶と教訓を伝えていくためのあふれんばかりの決意がウェブサイトを通して伝わってくる。

 他のサイトでは、日本屈指のウェブサイトであるYahoo!JAPANが1月17日、トップページの広告を丸一日すべて非表示とし、特集ページなどへの誘導枠とする取り組みを行っていた。トップページを下へスクロールすると、スムーズに防災特集ページヘ移動するようになっており、当時の映像や写真、インフォグラフィックスやクイズなどの要素などを複合的に組み合わせ、災害へ備えることの大切さを訴えるコンテンツとなっている。

[参考]⇒ヤフー、トップページを阪神・淡路大震災仕様に--創業以来2度目の「広告非表示」 - CNET Japan

 「災害への備えの大切さ」というシンプルなメッセージ性や表現の技術的な工夫、デザインの洗練度などではYahoo!は圧倒的なものがあるが、コンテンツのバリエーションと深みでは神戸新聞に軍配が上がる。新聞紙面上でいくら「決意」を表明しても、それは基本的に読者にしか届かない。若い世代やエリア外へ情報を発信していくにはウェブでなければそもそも始まらない。地方紙でも本気になって取り組めば、インターネット上でもここまで存在感を出せる。全国の地方新聞社にとって偉大な模範となるのではないだろうか。