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edgefirstのブログ

国内新聞社を中心としたマスメディア関連のウェブサイト巡回が趣味です。業界紙的なノリでトピックスをメモしていきます。

朝日新聞、衆院選結果を受け「全国『託され度』マップ」「得票数の動くグラフ」公開

 12月14日に投開票が行われ、自民・公明が3分の2を占めた衆議院総選挙。有権者の関心も低く、投票率は52.66%と戦後最低を更新した。結果として与野党の勢力は解散前とそれほど変わらない結果となり、各新聞にもいつものように総括や分析記事は載ったものの、世間の関心も開票日から急激に薄れているような印象となっている。

 そんな中、朝日新聞は選挙後もウェブサイト上で衆院選の結果を受けたインタラクティブコンテンツを制作した。一つは12月17日に公開した「全国『託され度』マップ」で、棄権者を含めた有権者全体から見た選挙区の当選者の得票率を「託され度」と定義し、日本地図に色分けして掲載している。選挙区で当選した295人の候補者が、その選挙区の何%の有権者から投票されたかということを、日本地図上の全選挙区について調べることが可能だ。色の種類は所属政党で、色の濃さは得票率の大きさを示している。合わせて通常の得票率と投票率も見ることができる。

全国「託され度」マップ - 2014衆院選:朝日新聞デジタル
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 サイト上の日本地図を俯瞰して見ると、北陸や九州、中国などで自民党の「託され度」が比較的高く、近畿や関東などでは低いことがわかる。解説記事によると、選挙区当選者の平均は26.91%で、最も高い小泉進次郎議員でも43.96%(得票率83.28%)。10%台も21人おり、棄権者数の多さが実感できる。せっかくなら上下5位だけでなく、295人の全当選者を並べても良かったのではないかとも思う。

[解説記事]⇒当選者の「託され度」は 衆院選、得票数の割合を地図化 - 選挙:朝日新聞デジタル

 二つ目は12月19日に公開された政党別得票数の推移をビジュアライズした「動くグラフ」。年をクリックするとグラフを構成する点が勢い良く一斉に移動し、各党得票数の増減がひと目で分かるようになっている。2014年で棄権や無効票が激増していることや、2012年に圧勝した自民党は2009年に惨敗した自民党よりも得票が少なかった意外な事実を可視化している。欲を言えば「維新」は12年と14年だけでも独立して表示した方が良かったのではないだろうか。

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 もともと選挙期間中の12月2日に公開されたもので、現行制度が導入された1996年以降の衆院選について、各党の得票数の推移をグラフでまとめて、投票率次第では得票率1割台で政権を取れる可能性を指摘していた。当初は動画で各選挙ごとのグラフの動きを解説し、ナレーションを制作者の一人である古田大輔記者本人が行っていたが、19日に公開したものは、ユーザーが自由に見たい衆院選を選択できるインタラクティブなグラフとなっている。ちなみにIEではグラフが動かないので、引き続き今回もナレーション付き動画となっているとのこと。

[動くグラフ]⇒衆院選を動くグラフに 激増する無効・棄権票 - 選挙:朝日新聞デジタル
[解説記事]⇒得票率1割台で政権取る可能性 グラフで見る衆院選 - withnews(ウィズニュース)

 「絶対得票率」と「得票数」に焦点を当てたインタラクティブコンテンツ。特に「動くグラフ」のインパクトは強いものがある。選挙が終わった余韻冷めやらぬうちにスピーディーに公開できているのは制作者の努力の賜物だろう。新聞社はどうしても選挙期間中や開票日に集中しがちだが、「終わってやれやれ」ではなく、選挙後を見据えたコンテンツを準備していたことも驚きだ。
 
 いずれのコンテンツも、有権者数に占める棄権者の割合の多さを強く印象付けるものであった。ウェブというオープンな空間で、いつでも見られる状態にこういったコンテンツが掲載されるのはとても意義があることだと思う。