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読売新聞のウェブ企画「新幹線 半世紀の旅」 過去記事・写真を活用、車窓動画も

本日、「読売新聞 新幹線半世紀の旅」を公開しました!
東海道を3時間で結ぼうと、高速列車に夢をかけた人々、新幹線と共に発展した日本経済など、新幹線をめぐる記事を準備しました。
東海道車窓から」のコーナーでは、現在の東海道新幹線の車窓動画を見ていただけます。川を渡り、茶畑を駆け抜け、在来線を追い越して走る新幹線(こだま号)の車窓をお楽しみください。
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 読売新聞は8月14日、今年10月1日で東海道新幹線が東京~新大阪間で開業してから50年を迎えるのを機に、ウェブ特集企画「新幹線 半世紀の旅」を公開した。ウェブサイトYOMIURI ONLINEのトップページ左上に配置されたバナーからアクセスできる。パソコン、タブレット端末、スマートフォンで閲覧できる。また、英語版も用意されており、読売の英語ニュースサイト「The Japan News」の右メニューからリンクしている。Facebookページと公式Twitterも用意され、更新情報や、新幹線に関するニュースの紹介も行っている。

[特集ページ]⇒新幹線 半世紀の旅 : 読売新聞
英語版]⇒Shinkansen—A half-century journey : The Japan News

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facebookページ]⇒読売新聞 新幹線半世紀の旅 | Facebook
Twitter]⇒読売新聞 新幹線半世紀の旅(yomi_shinkansen)さん | Twitter


 日本の新聞社でも徐々に採用事例が増えてきた、ウェブブラウザのスクロールに合わせてテキストや画像・グラフィック、動画などを表示させる技法「パララックス」を用い、読売新聞の過去の取材記録や紙面、写真などを組み合わせたウェブコンテンツ。戦前の「弾丸列車」構想から始まり、1964年10月1日の開業、0系からN700系までの各車両の特徴、そしてリニア計画へとつながる新幹線の歴史を、新幹線と共に歩んだ日本の歴史と合わせて振り返ることができる。さながら昔のNHKプロジェクトX」のウェブ版といった趣きだ。

 また、「東海道 車窓から」のコーナーでは、東京・新大阪間の沿線の景色を映した車窓のダイジェスト動画と合わせ、各駅のトリビアやこぼれ話、駅弁やグルメ情報、沿線で撮影された写真などを紹介している。面白いのはブラウザをスクロールして駅名を変更すると、それに合わせて画面左右に設けられた車窓の動画も切り替わっていくこと。実際に新幹線の席に座っているような感覚を味わうことができる。車窓動画のノーカット版はYoutubeにアップされており、駅間の景色を全て視聴することも可能。

[該当コーナー]⇒東海道 車窓から : 新幹線 半世紀の旅 : 読売新聞

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 こういった新しいウェブ表現技法はこれまで朝日新聞が先行していたが、ライバルの読売新聞としても決して遅れをとっているわけではなく、技術的なキャッチアップを進めているということなのだろう。過去の資料集めや写真、動画、イラストの組み合わせなど、非常に大きな工夫を凝らしていることもわかる。読売新聞東京本社メディア局がこの夏の目玉企画として取り組んだ様子がうかがえる。
 
 ただ、あまりにも力を入れすぎたせいか「半世紀の旅」は長大なコンテンツになってしまい、最後まで通して見るのが少々辛かった。特にスマホで見たときに「いつ終わるのか」と思ってしまったほど。もう少し伝えたいポイントを絞って見せた方が良かったのではと思えた。

 また、新幹線のポジティブな面を強調するあまり、どうしても「JR東海の企画広告?」「ネイディブアド?」という印象は拭い去れないものがあった。もちろんこのようなコンテンツを制作するにはJR東海側の協力がなければ不可能であるし、テレビのバラエティ情報番組ではごく普通だ。「東海道 車窓から」内にはいくつか見出しに「PR」と入った部分があり(PR記事の例)、編集記事とPR記事を区別してはいる。だが、全体を通した印象としてJR東海の博物館「リニア・鉄道館」の展示物の一つを見ているような気分になったことも確か。むしろ「JR東海とのコラボ企画」であることを前面に押し出したほうが、ユーザーに与える印象としてよかったのではないだろうか。

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